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167cmの選手が人生初のダンク成功!?
田臥に並ぶBリーグの“顔”富樫勇樹。

posted2017/01/17 08:00

 
167cmの選手が人生初のダンク成功!?田臥に並ぶBリーグの“顔”富樫勇樹。<Number Web> photograph by AFLO

田臥勇太と富樫勇樹はBリーグの2枚看板と言っていいだろう。2人合わせて340cm、まさに小さな巨人たちである。

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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 時代の変わるにおいを、かいだことはあるだろうか。

 1月15日の日曜日。Bリーグ初のオールスターが行われた代々木第一体育館では、特殊な噴露機を使ってBリーグのそれぞの選手をイメージした香りを漂わせていた。会場につめかけた9567人の観客は、いつか似たような香りをかぐとき、日本バスケットボール界の新時代の顔になった選手の顔を思い浮かべるのかもしれない。

 167cmの富樫勇樹は、Bリーグが開幕して初めてのオールスターに向けてのコメントを求められる度に、TVカメラの前で、ネットメディアの前で、宣言をしていた。

「オールスターではダンクを決めます」と。

「有言実行が出来たことは、すごく、嬉しいです。人生で初めてのダンクなので(笑)。それをBリーグのオールスターで出来たことがすごく嬉しい」

 Bリーグのオールスターで、初代MVPに輝いた23歳の青年はそう言って、笑顔を見せた――。

「あの時点で、MVPは決まっていたのかな」

 オールスターに参加した選手のなかで、“2番目”に多く、Twitterのフォロワーを抱える、横浜ビー・コルセアーズの川村卓也という選手がいる。

 彼はオールスター前日のイベントや取材対応を終えたあと、そのままホテルに宿泊したとう。オールスター当日は徒歩で、体育館へ向かった。そして入口に着く少し前に、バスケットシューズを片手に、車から降りてきた富樫と出くわした。

「アイツから、『ボクは車で来たんですけど、川村さんは電車で来たんですか?』っていう、ちょっと上から目線なことを言われまして(笑)。この1日を振り返ると、あの時点で僕のMVPはもうなかったのかな、と思います」

 自虐的なジョークを飛ばした川村。彼の旺盛なサービス精神は、バスケットボール界では知らない者はいない。この日も、体育館の入口付近につめかけていたファンの姿を見かけると、極寒のなかで丁寧にペンを走らせていた。

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