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できるオーナーに変貌した、ジョーダンのビジネス手腕。~一見「甘い考え」の方法論が、最後は上手くいく~
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byAFLO
posted2017/01/18 09:00
昨年11月22日にはNBA史上2度目となる、文民最高位の勲章「大統領自由勲章」を受章。
今から15年半前、当時ワシントン・ウィザーズの新人GMだったマイケル・ジョーダンに、トレードをまとめるのに一番大事なことは何かと尋ねたことがある。ジョーダンは躊躇することなく、お互いの利益になる取引を提案することだと持論を語った。
「相手にとって悪い条件を出すのは、相手を侮辱することだ。騙したり利用しようとするやり方は、ビジネスとして結局うまくいかない」
コート上では容赦なく相手を叩きのめすことで知られていただけに、意外な言葉だった。正直なところ、新人GMの甘い考えなのではとも思った。
このことを思い出したのは、昨年末に合意が発表されたNBAの新労使協定交渉において、選手とオーナーの両方の立場を経験したジョーダンの存在が大きかったという話を聞いたからだった。NBAコミッショナーのアダム・シルバーも、交渉が順調に進んだ理由として、ジョーダンの貢献をあげて称賛していた。