バレーボールPRESSBACK NUMBER
東京五輪で越川優&ゴッツ組実現!?
彼らがビーチバレーに転向する理由。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byAFLO SPORT
posted2017/01/16 17:00
北京五輪の主力にして、プレミアリーグにおけるJT優勝の立役者としての活躍が記憶に新しい越川。東京五輪を見据えた、32歳からの新たな戦いが始まる。
「やはり、五輪に出たいという気持ちが強いから」
越川は岡谷工高を卒業後、「一日も早く高いレベルでプレーしたい」と、バレーボール選手としては異例の高校卒でサントリーサンバーズに入団した。
2006年、企業の社員が大多数を占めるバレーボール界では珍しい「プロ契約」をサントリーと結ぶ。その後、2009年にイタリアへ渡り、セリエAのPhyto Performance Padovaで3年間、プレーした。
思えば越川の競技人生は挑戦と決断の連続だった。
「正直、発表した今も不安のほうが大きいです。今まで自分が下してきたいろいろな決断に比べると、いちばん迷いました。ビーチバレーという競技に対応できるかという不安はもちろん、ここでインドアをやめていいのかという思いも強いです。それでも決断したのは、やはり“オリンピックに出たい”という気持ちが強かったからです」
今後はメインスポンサーを探し、フリーの立場でプレーするとのこと。越川の新しいチャレンジがスタートする。
越川が東京五輪代表になれる可能性は?
では、越川がビーチバレーボールに転向し、オリンピックを目指すことはどれくらい現実的なのか。
ビーチバレーボール専門誌『ビーチバレースタイル』の吉田亜衣編集長に話を聞いた。
「越川選手のようなインドアでトップクラスの選手であれば、間違いなく2年で日本のトップにはなれると思います。ビーチバレー、それも男子に関しては国際バレーボール連盟のワールドツアーランキング、シーズンランキングで100位以内に入る日本人選手は現在、いません。若い選手の発掘や育成もなかなか進まず、アジアでもメダルを取れない、人材不足が続いている厳しい状況です」
ロンドン・オリンピックに出場した朝日健太郎、白鳥勝浩以降、世界に通用する選手が現れていないのが現状だと吉田編集長は話す。