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東京五輪で越川優&ゴッツ組実現!?
彼らがビーチバレーに転向する理由。
posted2017/01/16 17:00
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
AFLO SPORT
北京オリンピックに出場したバレーボール選手の越川優(JTサンダーズ)が、5月の黒鷲旗全日本男女選抜大会を最後に、ビーチバレーボールへ活動の場を移すことを発表した。
越川は高校3年生のときに男子バレー史上初めて、高校生での全日本入りを果たし、釜山アジア大会に出場。2005年にはアジア選手権で日本の5大会ぶりの金メダル獲得の原動力となる。2008年には全日本男子の16年ぶりオリンピック出場に貢献するなど、全日本の中心選手として活躍してきた。
しかし2015年、若返りを図った南部正司監督の構想から外れ、代表落ち。直前に開催された2014-15V・プレミアリーグで昭和6年創部の古豪、JTサンダーズを悲願の初優勝に導き、最高殊勲選手賞を獲得したばかりだった越川の落選に当時、バレーボール界は騒然となった。
2016年には再び代表候補に入るものの、リオデジャネイロオリンピック世界最終予選の合宿には一度も呼ばれることなく選考から漏れる。
このころからビーチバレーボールへの転向が頭をかすめるようになったという。
インドアで、36歳の自分が五輪に出られるのか?
「これまで、いろいろな出来事が積み重なって、けっきょく昨年、最終予選にも出ることができませんでした。じゃあ、次のオリンピックのときに、36歳の自分が結果を出したとして、今度は代表に入れる可能性があるのかと考えました」
代表監督が変われば当然、チーム編成も変わる。ただし、新しい代表チームで再び越川が必要とされるか否かは誰にもわからない。
「このままインドアを続けるほうがよかったのか、ビーチに転向するほうがよかったのか、どちらの選択が正しかったのかは2020年になってみなければわかりません。ただ、競技者として挑戦を続けるのが自分の信条だし、インドアを続けて代表に入れるかどうかわからない状態よりは、きっぱりインドアをやめて、“ビーチで代表を目指します”と言ったほうが自分の気持ちに区切りがつくと思ったんです」
越川にとって「オリンピックにこだわる」という信念を貫く手段が、ビーチバレーボールへの転向だった。