Sports Graphic Number MoreBACK NUMBER
<錦織が開いた世界への扉> 日本男子新世紀を担う3人。 ダニエル太郎/西岡良仁/綿貫陽介
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byHiromasa Mano
posted2017/01/12 11:05
左からダニエル、西岡、綿貫。日本男子テニス界の将来を背負って立つべき3人は、着実に成長を遂げている。
「錦織さんのいる間に」同じ土俵に立ちたい。
「置いていかれてるという自覚はあります。正直、彼らが活躍しているのを見るのは辛いですけど、早く自分も上の舞台で戦いたい、追いつきたいという気持ちは強い」
綿貫はそこに自分なりのタイムリミットを設けている。
「錦織さんがいる間に……」
それがあと何年なのかはわからないが、同じ土俵に立ちたいという思いは、大阪でのデ杯でチームに帯同していっそう強くなったという。
この数年、男子テニスは日本でかつてないほどに注目を浴びてきたが、テニス人気ではなく錦織人気に過ぎないと痛感することも多々ある。この個性豊かな若者たちは錦織にどこまで近づいていけるだろうか。そして、錦織がいる間にできること、やるべきことを考え、努めるのは選手だけの仕事ではない。2月にはデ杯のワールドグループ1回戦、強豪フランスとの戦いも控えている。錦織一人では、勝てない。
ダニエル太郎Taro Daniel
1993年1月27日、ニューヨーク生まれ。右利き、両手バック。父は米国人、母は日本人。スペイン・バレンシアが本拠地。'16年は四大大会3大会で本戦入りし、全仏で初戦突破。リオ五輪では3回戦に進出、銀メダルのデルポトロから第1セットを奪った。191cm、76kg。
西岡良仁Yoshihito Nishioka
1995年9月27日、三重県生まれ。左利き、両手バック。4歳からテニスを始める。'14年プロ転向。'16年はATPツアーで10勝12敗。8月のアトランタ250大会では準決勝進出し、キリオスに惜敗した。ATPの若手抜擢キャンペーン「Next Gen」の一員に選出。170cm、64kg。
綿貫陽介Yosuke Watanuki
1998年4月12日、埼玉県生まれ。右利き、両手バック。実家がテニスクラブで、兄の裕介、敬介もプロテニス選手。'16年プロ転向し、世界スーパージュニアと全日本テニス選手権で優勝。世界ジュニアランキング最高2位。'17年よりツアーに本格参戦する。181cm、63kg。