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<錦織が開いた世界への扉> 日本男子新世紀を担う3人。 ダニエル太郎/西岡良仁/綿貫陽介 

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山口奈緒美

山口奈緒美Naomi Yamaguchi

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photograph byHiromasa Mano

posted2017/01/12 11:05

<錦織が開いた世界への扉> 日本男子新世紀を担う3人。 ダニエル太郎/西岡良仁/綿貫陽介<Number Web> photograph by Hiromasa Mano

左からダニエル、西岡、綿貫。日本男子テニス界の将来を背負って立つべき3人は、着実に成長を遂げている。

「日本人勢は、お互いに負けたくないと思っている」

「西岡君とか、伊藤(竜馬)さん、添田(豪)さん、杉田(祐一)さんとか、トップ100くらいにいる日本人はみんな、お互いに負けたくないと思ってやってるので、いい関係だと思います。錦織さんはダントツ強いので、ライバルっていうのはちょっと違いますけど、彼のおかげで日本のテニスの人気も上がって、特にデ杯とかでいい影響を受けていますね」

 ダニエルも言うように、錦織時代にデビューした彼らの幸せは、初めからワールドクラスでの戦いを経験するチャンスを得たことだ。デ杯において、かつて日本の定位置だったアジア・オセアニアゾーンでの戦いは経験したことがない。

全仏ではワウリンカをセットポイントまで追い込んだ。

 ダニエルのデ杯デビューは'14年の準々決勝、対チェコ。このとき人生初の5セットマッチを世界ランク40位のルーカス・ロソルを相手に戦い、フルセットに持ち込んだ。トップ50との対戦はわずか2度目、セットを奪うのは初めてだった。初めてのビッグ4との対戦もデ杯で、昨年のイギリスとの1回戦でアンディ・マリーに挑んだ。ストレートの完敗だったが、全仏の2回戦ではスタン・ワウリンカを第1セットのセットポイントまで追い込み、「マリーのときほどは緊張しないでできた。ベストじゃない中でもチャンスがちょっとあったのは、いいサインかなと思います」とマイペースで前向きな彼らしい手応えを語った。

 しかし一方で、200位台やさらに低いランクの相手に取りこぼす試合も目立った。100位内に入れば、相手に研究されるようになり、下に負けられないというプレッシャーも増す。アップダウンの激しいシーズンでもあり、'16年の最終ランキングは127位まで落ちた。全豪は予選からのスタートになりそうだが、再浮上はなるか。

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