プロ野球PRESSBACK NUMBER
混乱を極めた2016年の中日――。
大野雄大の魂の言葉は天に届くか?
text by
伊藤哲也Tetsuya Ito
photograph byKyodo News
posted2017/01/02 11:30
本拠地最終戦後のセレモニーで、ファンにあいさつする中日・大野雄大。誠意ある彼の言葉は、ファンの鬱憤を束の間晴らすこととなった。
将来を担う若手のレギュラーが1人でも出れば……。
2017年シーズンの開幕オーダーを想定しても、ほぼ当確といえるのは一塁・ビシエド、左翼・ゲレーロ、中堅・大島、右翼・平田の4ポジションのみ。
内野の三塁、遊撃、二塁は不確定要素が多く、現段階で固定できるポジションではない。
ただ裏返せば、若手にとっては目の色を変えてレギュラーを奪える大チャンスでもある。三塁なら素材は一級品の高橋周平。
2016年シーズンは2桁本塁打を放ち、長打が魅力の福田永将。
遊撃はプロ入り初の規定打席に到達した堂上直倫、即戦力新人の俊足・京田陽太。
捕手は打力のある杉山翔大、木下拓哉ら若手の競争……。
森監督自身も「何とかAクラスを狙っていきたい」と話しており、将来を担う若手のレギュラー陣が1人でも出てきて欲しいというのが、ファンの切なる願いでもあるだろう。
黄金期の落合政権を支えた森監督は、セ・リーグで唯一の60代の指揮官。百戦錬磨の経験で巨人、広島を筆頭とした戦力差をどう埋めていくのか。
若手育成に主眼を置きつつ、その手腕にも注目したい。