球道雑記BACK NUMBER
10年間支えられた裏方との別れ。
ロッテ大嶺祐太は一本立ちできるか。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byKyodo News
posted2016/12/27 08:00
2016年5月。日本ハム戦で、2回途中で交代を告げられた時の大嶺(右端)。結局、今季は4月2日・オリックス戦の1勝のみで終わった。
来季から背番号は11から30に変更されることに。
来季から背番号が11から30に変更になると球団から告げられた。
球団本部長の林信平は「大嶺の奮起を促すため」とその理由を答えた。
「でも、背番号で野球をするわけではないので……。11って番号は元々好きな番号でしたけど、この世界では結果が出なかったら背番号も変わるのは当たり前。自分の立ち位置も分かっているので、しっかり自覚をもって、これからちゃんとやっていきたいなって思います」
ルーキーの佐々木千隼や酒居知史の加入だけでなく、今年ストッパーを務めた西野勇士が来年から先発に転向、さらに中継ぎの藤岡貴裕も先発復帰を希望している。大嶺にとって厳しい戦いになることは間違いないだろう。
周りの人たちにちょっとずつ恩を返していけたら。
「今は凄く良い感触があります。力を入れないで投げてもボールが来ていると思いますし、球の回転も良くなっているので……。投げる場所がどこになるかは分からないですけど、今年の反省として自分のやりたかったことを貫き通すことができなかったので。だから来年は自分がこうやるんだって意志を強く持ちながら、ぶれずに自分が目指すところをしっかりやろうと思っています」
取材時の表情はとても柔らかかった。オフという時期的なものもあるだろうが力みや角がまるでない、人としての成長も感じさせた。
来年で29歳。取材の最後に彼はこう言った。
「周りの人には恵まれている方だと思うんです。だからその人達にちょっとずつ恩を返していけたらなって思います」
チームを離れる漁野にもはなむけの言葉になると感じた。