球道雑記BACK NUMBER
10年間支えられた裏方との別れ。
ロッテ大嶺祐太は一本立ちできるか。
posted2016/12/27 08:00
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph by
Kyodo News
12月某日、千葉ロッテでコンディショニングコーチを務める漁野祐太と酒を酌み交わす機会に恵まれた。
こんなに、はしゃいで飲んだのはいつ以来だろうと思えるくらい、その日は酒も進んで、つい悪ノリもしてしまった。
毎日でも、何度でも、こういう席を持ちたいなあと思っていた矢先、漁野から突然、改まった顔で「実は私、来月から四国の方に行くんです。マリーンズは今月で辞めます」と告げられた。
「またか……」
漁野にとっての初仕事は、大嶺祐の入団交渉だった。
実はこの年末、このような別れを、2度経験している。
ひとつは今年、千葉ロッテから戦力外通告を受けて、熊本の社会人野球チーム・鮮ど市場ゴールデンラークスに移ることになった香月良仁、そしてもうひとつが漁野だった。
これが今生の別れになるわけではないが、心を通い合わせた人物と離れ離れになるのはやっぱり切ない。
「まだ年内、時間はありますからまた集まって飲みましょうよ!」と、最後にそう約束し、その日は解散することになった。
漁野が千葉ロッテに籍をおいたのは今からちょうど10年前のことだ。
初仕事は当時、八重山商工の3年生だった大嶺祐太の入団交渉に同席することだった。