スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
出場枠拡大と小刻み継投策。
前田健太らメジャー組への影響は?
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2016/12/24 08:00
ドジャースで今季最多イニング数を投げた前田健太。来季からの選手出場枠変更はスターターに大きな影響を及ぼしそうだ。
継投策がこま切れ野球に堕してしまうのは……。
話を冒頭に戻そう。先ほど私は、小刻みな投手リレーは両刃の剣だと述べた。そこでひとつ言い洩らしたことがある。この戦術は、ともすれば「勝てばいいだろ、勝てば」というメンタリティに陥りがちなのだ。なるほど、勝つことはまちがいなく大事だが、プロスポーツの場合には「どのように勝つか」という美学もつねに求められる。
ポストシーズンのような短期決戦ならともかく、162試合の長丁場を戦うレギュラーシーズンで、毎試合毎試合、非常事態宣言のようなゲームを見せられるのは、個人的にはあまり嬉しくない。
カット割りを異様にこまかくしてスピード感を捏造する映画がつまらないのと同様、小刻み継投策がこま切れ野球に堕してしまうのは、やはり考えものだ。そうならないことを、私は願っている。