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則本昂大、3年連続ミスターKの球質。
マー君から引継ぎ損ねている物は?
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byKyodo News
posted2016/12/27 07:00
新人から4年連続で2ケタ勝利、しかし敗戦も3年連続で2ケタに乗っている。則本が絶対エースになるためには、勝率の向上が求められている。
則本がマーくんから引き継ぎそこなっているもの。
その田中将大が24連勝を果たしてメジャーに転じていった2013年。
ルーキーとして15勝を挙げ、共に日本一の立役者となりながら、則本昂大は偉大な先輩のDNAのほとんどを継承していった。
そう、ほとんど……。
ならば、何を引き継ぎそこなっているのか。
“エース”が10勝するのに、10敗していてはいけない。
則本が投げる試合は勝てる。彼をとり巻く誰もがそう思って、安心して彼の奮投を見守っていられる、そんな安定感が“マー君”になっていない。
コンスタント。それこそがプロらしさ、それこそがエースの勲章。
則本の投げる試合は、三振をたくさん奪って最後は勝てる。そんな安心感を見ている誰にも抱かせてくれるピッチングを、来季こそはぜひ。