プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
内藤哲也のプロレス大賞は「期待賞」。
もっともっと世間を騒がす存在に!
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2016/12/15 11:00
プロレス大賞MVP受賞に対し、「今、プロレス界で最も神ってる男」と流行語大賞の言葉をもじってコメントした内藤。
インターコンチ王座でプロレス大賞MVPを獲った男。
内藤は現時点で新日本プロレスのセカンド・タイトルであるインターコンチネンタル王座しか持っていない。それでも21票中18票を獲得した。
「このインターコンチネンタル王座を持った男が、プロレス大賞MVPを獲ってしまった。これね、一番悔しい思いをしているのは、どこか遠くにいる、あの男じゃないですか? 彼が今どう思っているのか、ボクは興味ありますね」
内藤はWWEに移った中邑真輔に触れた後、オカダと棚橋に触れるのも忘れなかった。
「毎年、棚橋なのか、オカダなのか、というイメージを持っていましたから。それはIWGPヘビー級王座にしてもそうでしょう。ほとんど決まったメンバーで、常に回っていたと。結果的に風穴は空けましたけれど、風穴程度じゃないですよ。今回のMVPは。
3票逃したとはいえ、もうダントツでオレだったわけでしょう。棚橋なんて候補にも挙がらなかったんだ。これからね、この2人はオレを追いかけてくることになるでしょう。しっかり、ついてきなさいよ、って感じですね」
内藤は饒舌だった。
とはいえ、今回の内藤の大賞受賞はみんなの大いなる「期待賞」だと、思った方がわかりやすい。
理由の後付けはいろいろ可能だ。
内藤はプロレス大賞のトロフィーも投げるのか。
マンネリ化の打破に挑んだ内藤のキャラクターは否定しない。みんな普通の優等生じゃ、プロレスはつまらない。「言いたい放題」「やりたい放題」なんでもありだ。快く歓迎しよう。
内藤はIWGPヘビーだろうが、インターコンチネンタルだろうが、「こんなものいらない」というようにベルトを投げ捨てる。本人は「ベルトがオレを追いかけてくる」なんて洒落たことを言うけれど。
去年1月に都内のホテルで行われるプロレス大賞の授賞式でも、トロフィーを投げちゃうのかなあ……。