フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
SP自己ベスト更新の宇野昌磨。
世界王者に迫る内容でファイナル決定!
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAFLO
posted2016/11/09 07:00
キス・アンド・クライで驚きの表情を見せた宇野と樋口コーチ。樋口コーチは他にも、村上佳菜子や松田悠良らの指導も行っている。
底力を見せて逆転したフェルナンデス。
だがフリーでは、世界チャンピオンのハビエル・フェルナンデスが底力を見せた。
新プログラム、プレスリー・メドレーで4トウループと2度の4サルコウ、そして2度の3アクセルなどを含むフリーをみごとにノーミスで滑りきり、フリー201.43、総合292.98と宇野を逆転。
「今日のフリーは良い演技ができた。あまり悪い箇所はありませんでした。(スピンなど)レベルの取りこぼしがあったのはこれから練習していかなくてはならないけれど、最後まで戦い続けることができて良かったです」と会見でフェルナンデスがコメントした。
2連覇は逃したものの、総合2位の宇野は男子の中でいち早くGPファイナル行きの切符を手にした。この試合全体を振り返って、このように語った。
「あまり満足できる内容ではありませんでしたが、現在の状態で出せる力を出しきれた部分もあったので全体的には良かったと思います」
だが、これからの課題も見つかったと続ける。
「ただ、改めて様々な点で完成度を高めていかなければならないと痛感したので、ファイナルまでの時間を大切にし、早く帰って練習をしていきたいという気持ちが高まりました」
昨シーズンは3位だったGPファイナル。
宇野のファイナル進出は、昨シーズンに続いて2度目だ。
シニアGPデビューした昨シーズン、いきなりGPファイナル進出を果たして、羽生結弦、ハビエル・フェルナンデスに次いで3位と健闘。マルセイユGPファイナルは、銅メダリスト保持者としての挑戦となる。
「ファイナルまではまだ時間があるので、GPシリーズで見つけた課題を少しずつクリアしていきたいです。ジャンプの質を高め、より表現力に磨きをかけ、今出せる力をしっかりとGPファイナルで発揮できるようにトレーニングに励みたいです」と、大会への抱負を語った。