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松山英樹、アジア勢初のWGC優勝。
AONと違う道で世界ランク6位の意義。 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byYouichi Katsuragawa

posted2016/11/05 11:30

松山英樹、アジア勢初のWGC優勝。AONと違う道で世界ランク6位の意義。<Number Web> photograph by Youichi Katsuragawa

世界で戦う日本人アスリートは、ここ近年大きく注目を集めている。松山の実績ならスポットライトをもっと浴びてもいいはずだ。

ジャンボたちとは違う道で、上り詰めたという評価。

 ノビロは言った。「ヒデキの世界ランクトップ10入り、おめでとう。本当に偉大なことだ。彼は一番厳しい道、アメリカでプレーを続けることを選んだから。ジャンボ(尾崎)たちとは違う道で、ここまで上り詰めたんだ」

「ジャンボたちと違う」とはどういう意味か。

 それは既にことし2月上旬、松山がランキング12位まで浮上した時に、日本勢最高の記録を保持している中嶋が説明していた。「俺が4位になった時は、世界ランクは(当時)ソニー・ランキングといって、日本ツアーでのポイントが高い時だった。日本で何勝かすれば上がれたんだ。いまの世界ランキングはよく練られていて、質が高くなってきた」

 ゴルフツアーは同じ週に世界中で行われており、各大会の“格”と出場選手層によって、配分される世界ランキングのポイントが変わる。

 最高峰の4大メジャーでは優勝すると100pt(2位は60pt、3位は40pt……と順位によって変動)、WGCは70pt前後。平場の米PGAツアーはフィールドによって60pt以上ある試合から30pt程度のものもあるが、多くは50pt前後である。欧州ツアーは50pt~20pt。日本ツアーはことしの日本オープンの32ptを除くと、多くは16pt前後となっている。

中嶋のような歴戦のプロが抱いている畏敬の念。

 昔の日本ツアーはこの各大会の配分ポイントが欧州に並ぶほど高かった。1999年に国際ゴルフ連盟(IGF)が制度を整えるようになってから配分が変遷し現在に至る。

 AONがトップ10入りしたのは'98年以前のこと。だからこそ中嶋は「(2月時点の松山の)12位というのはたぶん、本当の意味で、いままでの日本人で一番上に行っていると思うんだ」と言った。3人の日本ゴルフ界への功績がそれで色褪せるはずもがないが、「30位~20位までの選手と、20位~10位までの選手は実力に差があるでしょう。さらにその上、ベスト10はさらにすごい差がある。そこに入ってほしいねえ……」と続けた。

 そして、その願いは1年もしないうちに現実になった。

 中嶋のような歴戦のプロこそが、松山のランキングへの畏敬の念を抱いている。

【次ページ】 日本の認識を“変えたい”という意識が強いのは確か。

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