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なぜ寝具メーカーがサッカーを支援?
理由は本田圭佑が持つ「緊張感」。
posted2016/10/21 11:30
text by
西川結城Yuki Nishikawa
photograph by
AFLO
SVホルンのユニフォーム。その左肩口のところには、日本人なら見慣れた『東京西川』の文字が記されている。さらにホームスタジアムにも同じ表記の看板が立てかけられている。チームが戦う場所は、オーストリア。ドイツ語表記やアルファベット文字に混じると、余計にその漢字が引き立って見える。
日本の寝具メーカー最大手、東京西川。一見サッカークラブとは無縁のように感じる業種だが、近年はスポーツ界との深い関わり合いを持ち始めている。
'09年に発売したマットレス『AiR』 が、今では爆発的な人気商品に。カズとネイマールがCMに出演したことでも話題になったが、実際にサッカー選手のみならず多くのアスリートが愛用する。また2012年には日本レスリング協会とスポンサー契約を締結し、ロンドン五輪そしてリオデジャネイロ五輪で大活躍した日本人選手たちを、眠りの観点からサポートしてきた。
栄養、運動、休息というトップアスリートに重要な3要素。東京西川は今までの年齢層の高い顧客層から若年層や男性にもターゲットを広げ、『休息』の観点からスポーツ×睡眠をキーワードに新しい顧客層の開拓を目指しているという。
ホルンと東京西川のつながりはやはり本田から。
ホルンと寝具メーカー。もちろんそのつながりのきっかけは、本田圭佑である。
現在、本田やホルン、さらにはその他多くのアスリートの窓口となっている東京西川・営業企画室のチーフリーダーを務める須藤健二朗氏。この夏にもミラノに出向いてディスカッションを交わしてきたという須藤氏が、本田との出会いのきっかけを語った。
「知人の紹介で、本田選手のマットレスや枕の測定を行ったことが、最初のきっかけです。そこで本田選手が弊社商品や考え方に興味を持ったことで、その後も良い関係を築かせていただいています。アスリートの方々の中には、正直睡眠に関してあまりまだ関心の少ない選手たちがいることも事実です。ただ本田選手は眠りに関するこだわり、関心が深く、我々にもさまざまな要求を投げかけて頂けます。そうした、アスリート・本田圭佑を陰ながらサポートさせて頂いてきた中で、今回ホルンとの関係もスタートしたということです」