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なぜ寝具メーカーがサッカーを支援?
理由は本田圭佑が持つ「緊張感」。
text by
西川結城Yuki Nishikawa
photograph byAFLO
posted2016/10/21 11:30
ミランでは苦しい時間を過ごしている本田圭佑。しかし彼はいつだって最後には出場機会をもぎとってきたのだ。
「本田に注目した結果、西川にも目が行く」
今のホルンが日本の国内市場において、大きな広告価値を持っているとは言い難い。純粋にオーストリア2部リーグのクラブを支援することなど、本田の存在がなければあり得ない判断である。
「正直、ホルンというクラブはまだまだ知名度が低いかと思っています。ただ本田選手の存在により、露出量が増えていく可能性もあります。ホルンが取り上げられた時に弊社のロゴに目が止まり、そこから知って頂けることがあればありがたいです。これからは睡眠に対して、幅広い年齢層に興味を持って欲しいと思っています。
本田選手の魅力は、何をしていても露出されるところです。プレーの成績が良くても悪くても、ニュースになる。ホルンが結果を出せば、さらに情報量は増えていくと思います。『本田に注目した結果、西川にも目が行く』。その連鎖が理想だと考えています」(須藤氏)
現在はホルンのクラブハウスにも大量のマットレスが提供され、選手やスタッフは『ジャパンクオリティ』の高さをあらためて実感しているという。
子供の教育における睡眠などでの協力も?
一見、日本人にとっても保守的に見えてきた業界である。ただ、そこには『革新』と『挑戦』という隠された2つのキーワードが存在し、それは本田が賛否両論投げかけられながらも自分のスタンスで突き進む生き方と重なる。
「同じ目標や夢を持って取り組めば、ゴール地点はどんどん広がります。組織が盤石になってからそこに対してスポンサードするのが本来の基本かもしれませんが、今回は挑戦というテーマがそれを飛び越えています。ホルンに関しては初期段階から関わっていく方が、クラブも我々も相互発展できる関係になっていけるのではないかと考えています」(須藤氏)
最後に、日本を代表する企業の1人のビジネスマンという立場から見た、本田についての印象を聞いた。
「彼が我々に投げかけてくることは、もはやコンディショニングの面だけではない幅広い分野のことになってきています。ある意味、私もビジネスマンとして、面白い展開だなと感じています。例を挙げるなら教育に関しても、我々も子供の頃からの睡眠を大切に考えていますし、彼が行っていく教育アクションとも今後発展的な話ができるかもしれません。知識や視点、ボキャブラリーが豊富で、普段取引先で会うような経営者と同じ感覚で接しています。もはや、サッカー選手という枠だけには、留まっていないですね」