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「ウッシーコール」は今も変わらず。
シャルケと内田篤人、相思相愛の今。

posted2016/10/04 16:30

 
「ウッシーコール」は今も変わらず。シャルケと内田篤人、相思相愛の今。<Number Web> photograph by AFLO

プロは厳しい世界である。内田篤人がここまで手厚いケアを受けるのは、これまでに積み上げたものがあればこそなのだ。

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寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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 10月2日。フェルティンス・アレナが歓喜に揺れた。

 今季は開幕5連敗。最下位で迎えたこの日の対ボルシアMG戦、4-0の完勝に6万人を越えるサポーターの熱狂は、スタジアムから中央駅へ向かうトラムのなかでも続いていた。乗車調整でトラムに乗るまでにも数十分を要し、乗ってからも先を行くトラムが長い列を作るので、ほとんど進まない。しかしそんな時間をものともせず、歌い続け、叫び続けていた。

「ウッシー! ウッシー!」

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 日本人サポーターの存在に気づいたのか、「ウッシーコール」が車内でも響き渡った。

 2010年にシャルケへやってきてから7シーズン。選手の出入りが激しい欧州でこんなに長くひとつのチームに所属できる選手はそれほど多くない。'10-'11シーズンにはチャンピオンズリーグベスト4、ドイツカップ優勝。シャルケの栄光の歴史にウッシー、内田篤人の名はしっかりと刻まれている。

 しかし2015年3月7日以来、彼はフェルティンス・アレナでプレーしていない。敵地でレアル・マドリーに勝利した3月10日以降、シャルケのユニホームを着て内田は戦っていない。1年半にも及ぶ長い不在。だというのに、以前と変わらない「ウッシーコール」がジンと胸に染みた。

故障が発覚したのは2014年2月。

 2014年2月に右ももを痛め、右ひざ裏、膝蓋腱の問題が発覚。手術を回避してW杯ブラジル大会に間に合わせて奮闘したが、その後再発。夏のシーズン開幕には出遅れたもの、9月下旬には戦列に復帰し、ベストイレブンに選ばれるほどの活躍もみせ、チャンピオンズリーググループリーグ突破にも貢献。シャルケとの契約を2018年まで延長し、次のW杯、新しい挑戦へのスタートを切ったかに思われた。

 しかしその年末、アジアカップを戦う日本代表メンバーに選ばれながらも、負傷を理由に辞退する。「無理をさせたくない」というクラブの判断という情報もあったが、後に「内田はチームを離れて、ドイツ南部の治療施設でリハビリを行う」ことが発表された。

【次ページ】 監督に初めて伝えた「100%じゃない」。

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