話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
原口と酒井高がサイドを甦らせた。
開いて、揺さぶって、身体を張って。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTakuya Sugiyama
posted2016/09/07 11:40
ハリル体制ではボランチ起用が多かった原口だが、この日は本来のウイングで出場して結果を残した。激戦区の2列目に彼もまた名乗りをあげるか。
長谷部の冴えない表情が、状態を物語っている。
もっとも、前進が見えたとはいえ、依然として課題はゴロゴロしている。
シュートを22本打って、得点はわずか2点。本田、香川らエースが決定機をことごとく外し、自分たちで苦しい展開にしていた。後半26分、相手FWとの1対1を西川周作が好セーブで防いだが、この時同点にされていたら、試合展開はわからなくなっていただろう。
「修正しないといけない点を挙げればキリがない。勝てたことはいいと思いますが、それでも危機感といいますか、このままではダメだなっていうのはあります」
長谷部誠は、そう言って厳しい表情を見せた。
サイドが攻守に機能したとはいえ、いまだチームは不安定なところにいる。南アフリカW杯、ブラジルW杯の最終予選を戦ってきたからこそ分かる長谷部の不安気な表情は、そのまま今の日本代表の状況を表している。