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原口元気は、ここから更に速くなる。
2年間で作り上げた「壊れない体」。 

text by

ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2016/09/05 17:45

原口元気は、ここから更に速くなる。2年間で作り上げた「壊れない体」。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

代表では、フィジカルと運動量を買われて中盤の底で起用されることが多い原口元気。その位置からでも、引いた相手にドリブルは効果を発揮するはずだ。

この夏から、スピードを上げる第2段階に突入。

 この夏からは第2段階、ついにスピードを上げる作業に入ることになった。6月にオフに入る前にはこう話していた。

「いまが、(4年半の契約の)ちょうど真ん中でしょう? 谷川先生のトレーニングをオレは信じているから。ここから、だと思うけどね。本当に速くなりだしたら、面白いと思うんですけどね」

 もちろん、はっきりとした変化を感じ取れるのはもう少し先になるだろうが、少しずつではあるが、成果も感じられているという。

 日本代表ではW杯の最終予選の初戦に敗れた以上、取りこぼしは許されない。でも、何にすがれるだろうか。数日のあいだに奇跡なんて望めない。期待できるのは、ここまで各自が積み重ねてきたものにこそあるのではないだろうか。

 この状況で、原口は力をこめてこう話した。

「危機感を持ちながらも、このプレッシャーに打ち勝つだけのメンタリティを持っている選手が日本代表にはいると思っているし、僕もその1人になりたい。もう1回チームでやれば、必ず良い結果が出ると思うので。

 どう考えても、技術的には日本が負けることはない。負けるとしたら、気持ちの部分とか、ずる賢さとかそういう部分だと思う。だとしたら、向こう以上の気持ちをみせて、1個、1個の球際とか、走ることとか、そういうことにこだわってやっていければ必ず勝てると思います」

この危機を救うのが原口でも、なんら不思議ではない。

 タイ戦では本職とするサイドの攻撃的な位置で起用されるかもしれない。あるいはこれまでと同じように、少し下がった中央のポジションでチャンスを与えられるかもしれない。それは監督が決めること。

 しかし、来るべきときに備えて、入念な準備をしてきたのが原口である。危機的な状況で迎える試合で、彼が決定的な仕事をしたとしても、なんら不思議なことではない。

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