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無名の新鋭と50試合連続安打。
マイナーで達成された大記録。
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2016/08/20 07:00
マイナーリーグで安打製造機と化しているフランシスコ・メヒア。メジャーの舞台で見られる日は来るのだろうか。
50試合連続安打は、過去62年間で最長の記録。
このあとにつづくのが、ローマン・メヒアス(ビッグステイト・リーグ)の55試合(1954)、オットー・パールマン(スリーI・リーグ)の50試合(1922)、ジャック・ネス(パシフィック・コースト・リーグ)の49試合(1915)、ハリー・チョーズン(サザン・アソシエーション)の49試合(1945)といったところだ。つまり、フランシスコ・メヒアの50試合連続安打は、過去62年間で最長の記録ということになる。
お気づきのとおり、この連続記録はマイナーリーグで生まれやすい。大リーグに眼を転じると、40以上の連続試合安打記録を残した選手は、ディマジオを含めて6人しかいない。ウィー・ウィリー・キーラーの45試合(1896~'97)、ピート・ローズの44試合(1978)、ビル・ダーレンの42試合(1894)、ジョージ・シスラーの41試合(1922)、タイ・カッブの40試合(1911)。達成年を見ればわかるが、近代野球では明らかに継続がむずかしくなっている。ローズ以外は、19世紀末や20世紀初めの記録である。
イチローは現時点で27試合連続がメジャー最長。
イチローはいまのところ、27試合連続安打(2009年)を記録したのが最長だ。NPBでは高橋慶彦の33試合(1979年)が最長。21世紀の大リーグに眼をやると、ジミー・ロリンズの38試合('05~'06)、ルイス・カスティーヨの35試合('02)、チェイス・アトリーの35試合('06)という数字が並ぶ。
数字の区切りがいいせいか、30試合連続安打を記録した選手は、21世紀だけに限ってもけっこう多い。アルバート・プーホルス('03)、ウィリー・タヴェラス('06)、モイゼス・アルー('07)、ライアン・ジマーマン('09)、アンドレ・イーシア('11)といった面々だ。