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「BUY組」と「SELL組」。トレードに表れる戦略と姿勢。~イチローのマーリンズも大型補強~
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byYukihito Taguchi
posted2016/08/17 09:00
パドレス在籍時には、マーリンズ・イチローに日米通算4257本目の安打を喫したロドニー。
8月1日のトレード期限が迫る7月下旬、メジャー各球団が活発に動き始めた。「BUY OR SELL(買うか、売るか)」と表現され、シーズンの分岐点とも言われるデッドライン。プレーオフ進出を目指す「BUY組」と、来季以降の再建に方向転換する「SELL組」とに色分けされるだけに、ここ数年はメディアだけでなく、ファンからも注目を集めるようになった。
「BUY組」の各球団は、明確な意図を持ち、精力的な補強を進めた。1908年以来の世界一を目指すカブスは、マイク・モンゴメリー(前マリナーズ)、最速105マイル(約169km)のクローザー、アロルディス・チャップマン(前ヤンキース)と両救援左腕の獲得に成功した。覇権奪回を期すレッドソックスも、先発ドルー・ポメランツ(前パドレス)、救援ブラッド・ジーグラー(前ダイヤモンドバックス)、巧打のアーロン・ヒル(前ブルワーズ)と、バランス良く補強。終盤戦を戦い抜く戦力を整えた。