話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
二川孝広は東京Vで“ムフフ”と笑う。
内気な救世主は、既に信者を獲得中。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2016/07/14 11:30
加入した東京ヴェルディで柔らかい表情を見せる二川孝広。彼の存在は、まだまだJリーグに必要である。
もしかするとガンバに戻ることはもう……。
期限付きの移籍だが、もしかするとガンバに戻ることはもうないのかもしれない。1999年にガンバユースからトップに昇格し、18年間ガンバ一筋でやってきた。36歳でJ1の試合に出場できず、オファーを受けてクラブを離れる時は相当の覚悟を決めたはずである。都内で家を購入予定なのも、その決意を示しているように思える。
「フタは、これからやるでしょ。少なくともJ3でやるようなレベルの選手じゃない。覚悟して移籍したわけやし、ここからはい上がって行くよ」
加地は、元チームメイトの「これから」に太鼓判を押した。
まったくの同感だ。岡山戦、二川がボールを持つと何かをやってくれそうな期待感が高まった。彼のようなファンタジスタ系の選手は、Jリーグ全体を見渡しても本当に少なくなった。まだスタートしたばかりだが、移籍が間違いでなかったことを自らのプレーで証明してほしいと思う。