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要領よく勝利を掴んだスコットランド。
ラグビー日本代表に欠けていたもの。
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph byAFLO SPORT
posted2016/06/28 11:00
スクラムでのホイールの他、多くの反則を取られた。PGで得点を奪われた末の敗戦となった。
日本は、相手に油断してもらえる存在ではなくなった。
乱暴な言い方になるが、スコットランドは、イングランドやフランスと戦うのと同じように日本と戦った。日本に対して優位に立てるところがなくても一切動じることなく、粘り強く勝てる箇所を見つけ、欲を出すことなく3点ずつを積み重ねて、見栄えは悪くてもしたたかに勝利を手にした。以前なら格下に思われた日本に対しても、油断なく勝利した。
日本は、相手に油断してもらえる存在ではなくなった。そして、油断しないスコットランドに対しても、互角以上の戦いを演じる力をつけた。それでいて、勝てなかった。相手をノートライに封じても、イコール勝てるというわけではないのだった。
6月25日、3万4073人の前で日本代表が演じた戦いは、日本代表の進化を示したと同時に、これから戦っていかねばならない戦場の厳しさを示唆していた。