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ホークス・東浜巨がエースキラーに。
“工藤塾”と特別な調整法で覚醒!
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byHideki Sugiyama
posted2016/06/22 07:00
6月20日に26歳を迎えた東浜。センバツ優勝、東都大学リーグの完封記録と、輝かしい過去を持つ男は、プロ4年目で再び開花しつつある。
「工藤塾」の倒れるほどハードなトレーニング。
昨年11月の秋季キャンプ。強化指定選手となった東浜は、工藤公康監督考案のメニューを毎日行う「工藤塾」のメンバーに選ばれた。股関節やハムストリングス、体幹などをみっちり強化するための10種メニューを1日2セット、およそ3時間。千賀滉大や岩嵜翔らも参加したが、練習後にはみんな悲鳴を上げながらバタリとその場に倒れこむほどハードだった
それを2週間繰り返した。そして、キャンプの終わりに、工藤監督は選手たちへこう話した。
「続けるかどうかはオマエたち次第。ただ2週間やったことは、2週間休めばゼロになる。週3度やれば筋肉は維持できるし、週4度ならもっと強くなるんだ」
12月、東浜は単身ロサンゼルスへ飛んだ。大リーガーも使用する施設で2週間の“筋肉留学”を行ったのだ。
シーズン開幕後の大きな分岐点。
ただ、工藤監督はこうも言っていた。
「すぐに結果が出るものではない」
「長く野球をやろうと思うのなら、必要なこと」
いきなり150キロが出せるわけではない。現に今年2月のキャンプを見ても、東浜の投球にそれほど大きな変化を感じたわけではなかった。
大きな分岐点はシーズン開幕後にやってきた。4月15日、今季初登板で則本と対峙した一戦がそれだ。
今季初登板だった東浜は5回75球、2失点で降板。4回裏に内川聖一の3ランで大きな先制点をもらったが、その直後に2ランを浴びて追い上げを許した。工藤監督は迷わずリリーフ陣を投入。結果的にチームが逃げ切りに成功して、東浜は今季1勝目をマークした。一方、則本は7回120球の力投もむなしく敗戦投手となった。