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武豊、実はJRA・GI初の逃げ切り勝利。
キタサンブラックと手にした春天の盾。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2016/05/02 11:20

武豊、実はJRA・GI初の逃げ切り勝利。キタサンブラックと手にした春天の盾。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

一度はかわされ万事休すかと思われたが、キタサンブラックは最後にもう一脚を残していた。

サブちゃんの即興に8万人が喝采。

 昨年の菊花賞につづくGI2勝目を挙げたキタサンブラックは、自身の通算成績を10戦6勝2着1回3着2回着外1回とした。唯一の着外は、ハイペースのなか14着に終わったダービーだけで、あとはパーフェクトと言える強さを見せている。なお現時点では、次走がどこになるかは未定のようだ。

 武と並んでお立ち台に上がった北島オーナーは、「ま~つりだ、まつりだ、まつりだ、キタサンま~つり。きょうはユタカさんの、まつり~だよ~♪」と即興で歌い、8万人近いファンの喝采を浴びた。

ゴールドアクターの12着は力負けとは言い難い。

 2着のカレンミロティックは、管理する平田修調教師が「他馬を行かせて追走する形が理想」と話していたとおりのレースをし、13番人気という低評価を覆す走りを見せた。

 3着は、前哨戦の阪神大賞典を完勝したシュヴァルグランだった。騎乗した福永祐一が「自由に動ける位置にいなかった」と振り返ったように、中団の内で他馬に囲まれ、スパートするタイミングが遅れてしまった。それでも最後は鋭く伸びており、これからさらに強くなりそうだ。

 1番人気に支持されたゴールドアクターは12着に沈んだ。17番という外枠も確かに不利だったが、それ以前にパドックで尻っ跳ねするなどテンションが高く、入れ込んでいたことが響いた。ポジションをとりに行っても掛からないことが強みなのだが、この日はずっと掛かり気味だった。あの状態では、内枠を引いて前に馬を置いていたとしても、同じように折り合いを欠き、力を出し切れなかったのではないか。

 もちろん、いわゆる力負けではない。昨秋から強敵相手に戦ってきた、目に見えない疲れがどこかにあったのかもしれない。

 これで'06年のディープインパクトを最後に、10年連続で1番人気が敗れた。それに対して、2番人気はここ10年で5勝したことになる。

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