畠山健介のHatake's roomBACK NUMBER
畠山健介が痛感した「人気」の困難。
日本からの応援ツアーが中止に……。
text by
畠山健介Kensuke Hatakeyama
photograph byAkio Hayakawa
posted2016/04/28 07:00
Aチームのメンバーたち。世界トップクラスの選手たちがプレミアでの出場機会をうかがう厳しい舞台だ。
これがもし、ゴロウの応援ツアーだったら……。
それにしても……。応援ツアーに人数が集まらず中止。かりそめの人気、メッキが剥がれた瞬間だ。
エージェントもスタッフも「年度末で時期が悪かったね」とフォローしてくれたが、これがもし、ゴロウ(五郎丸歩)の応援ツアーだったら、絶対に人は集まったはず。
あだち充先生の漫画「H2」に、「スターは本物(のファン)も偽物(のファン)も引き寄せる」というようなセリフがあったが、僕は偽物どころか、本物のファンも引き寄せられていないらしい。自分の魅力のなさを再確認した出来事だった。
Aリーグにもワールドクラスがゴロゴロいる。
全体で軽く練習した後、Aリーグメンバーとワスプスメンバーと分かれて練習することに。場所はメインピッチの裏手にある、ほぼ土のグラウンド。
Aリーグメンバーにはアカデミー(若手)の選手も多いが、サモア代表で、NTTコムに在籍していたアレックス(アレサナ・ツイランギ)が同じグラウンドにいた。
僕が渡英してから、彼がプレミアシップのメンバーに入ったのは1試合だけ。なぜアレックスはプレミアシップのゲームメンバーに入らないのだろうとずっと疑問だった。
今回もノンメンバーで、同じAリーグのメンバー。不思議に思い、「なぜ君がAリーグの試合に出るの? 君はワールドクラスなのに」と言うと、「俺には問題ない」と少し笑いながら、彼は言った。
彼だけじゃない。アレックスの弟のアンディー・ツイランギ。W杯にも出場したアメリカ代表エリック・フライ、その他アルゼンチン人のゴンズィー(ゴンサロ・ティエシ)など、「プレミアで十分通用するのでは?」と思う選手が多くいた。
怪我明けだからというなら、ノンメンバーであることも理解できるが……僕の知らないところで、様々な事情があるのかもしれない。
Aリーグの練習は楽しかった。ここには降格危機というものがないせいか、張り詰めた空気がなく、普段の練習以上に皆笑いながら楽しく練習した。チームの動きの確認が多く、基礎練習は少しだけ。ぶっちゃけ、練習内容はかなり楽だった。