プロ野球PRESSBACK NUMBER
松坂、西口を越える西武のエースに!
2年目・高橋光成への大いなる期待。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/04/21 10:40
甲子園優勝、プロ1年目での史上最年少月間MVPと栄光のステップを踏んできた高橋光成。プロ2年目の悩みから脱することができるか。
「手応えは感じています」
高橋は言う。
「今年は2年目ということで、右も左もわからなかった昨年より余裕はあるはずなんですけど、ヘンに自分で自分にプレッシャーをかけてしまったのかな、と思っています。ただ、イースタン・リーグで登板して、状態は徐々に良くはなってきています。まだ納得できないところもあるけど、少しずつ良くなっている手応えは感じています。あとは、もっと試合で打者を相手に投げること。ゲームで試合の作り方を思い出したい。まだ実戦のカンが足りないと思っています」
横田二軍監督は続ける。
「今いちばん彼に求めているのは安定感。スケールの大きな選手に育ってほしい。一軍を経験したがゆえの悩みがあって当然です。でも、あの年齢で昨年は一軍で活躍して、月間MVPまで取った投手。細かいことを考え過ぎず、もっと自信を持ってほしい」
炭谷「他の投手に競争意識が生まれた」
4月10日のイースタン・リーグ、ヤクルト戦では4回まで好投を見せた。威力のあるストレートを軸に、1安打4奪三振に打線を抑え、昨シーズンの高橋を思い起こさせるピッチング内容だった。ファーストストライクからどんどん打ちにくるヤクルト打線を警戒したのか、5回からはボール先行の苦しいピッチングになり5点を失ったが、1球の威力や、マウンドでの堂々とした姿を見ると、高橋本来のピッチングスタイルを取り戻しつつあるように見えた。
そして、続く16日の日本ハム戦では7イニングスを投げ自責2、奪三振6のピッチング。また一歩、一軍のマウンドに近づいた。
昨シーズンの高橋について、キャッチャーの炭谷銀仁朗は開幕前にこんなことを言っていた。
「去年、光成が一軍に上がってくる前は、先発投手が6人しかいなかった。ほぼ決まっているローテーションで、チーム内の競争がない状態でしたよね。そこに光成がああやって結果を出して、先発争いに一人、加わりました。厚みが出たのはもちろんですけど、他の投手に競争意識が生まれたのは事実だと思います」
一人の投手の活躍が投手陣全体にピリっとした空気をもたらした。