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シメオネが本当の「神」になるのか。
CL、残り3つの対戦を予想すると……。 

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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posted2016/04/21 10:30

シメオネが本当の「神」になるのか。CL、残り3つの対戦を予想すると……。<Number Web> photograph by AFLO

アトレティコをCL上位、リーガ優勝争い常連に育て上げたシメオネ。CLで優勝すればクラブの歴史上はじめてのことになる。

バイエルンはリーガ勢に2年連続で敗退中。

 ただし彼らは過去2シーズン、準決勝でスペイン勢に敗れている(一昨季はマドリーに、昨季はバルサに)。“ペップ”(グアルディオラの愛称)が母国のチーム相手に3度目の正直を果たすには、「100%の集中力が必要となる」と自ら語り、「シメオネのチームは彼のメンタリティーを具現化したものだ。私は今でもバルセロナが世界一だと思っているが、アトレティコは過去3年で2度も彼らを倒している」と警戒した。キーマンを一人ずつ挙げるなら、バイエルンはトーマス・ミュラー、アトレティコはコケとなるか。

シメオネはアトレティコの神になるのか。

 ケビン・デブライネの復帰で勢いに乗るシティと、ロナウドのハットトリックで逆転突破を果たしたマドリーの対戦も予想は困難だが、初の準決勝に臨む前者に対し、後者は欧州チャンピオンズカップ(CLの前身)時代から数えて27度目と、経験の差は歴然だ。

 こちらもシメオネと同世代のジネディーヌ・ジダン監督の就任により一体感を取り戻したマドリーは、ここに来て調子を崩しているバルサをリーガでも捕らえようとしており、アトレティコとともに2冠の可能性が再燃。

 また、マテュー・バルビュエナへの脅迫の疑いが持たれているカリム・ベンゼマは母国フランスで開催されるEURO2016への不参加が正式に決まったが、祖国レジェンドのケアによりモチベーションは失っていないようだ。

 6年前に率いた古巣と対戦するシティのマヌエル・ペジェグリーニ監督は、当時と同様に自らの意志に反してクラブを去ることになる。そんな指揮官のためにも優勝を、と選手たちは団結しているようだが、シティがそこまでの格を備えているとは思えない。また、哲学者のような表情をしたチリ人監督は有能に違いないが、色々なところで貧乏くじを引いてきた。ビジャレアル時代の10年前と同じく、4強に入っただけでも称えられるべきで、その先はボーナスと捉えるくらいが妥当だろう。

 5月28日(日本時間29日)、ミラノのサン・シーロにマドリードの両雄が集結し、2年前とは逆の結果に終わって、“チョロ”(シメオネの愛称)が真の意味でアトレティコの神になる──。

 判官贔屓の希望のようなシナリオをちょっと強引に描いてみたけれど、僕は予想が得意でないことも付け加えておく。

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