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7人制ラグビーの祭典、香港セブンズ。
世界最高峰の大会はまるで音楽フェス!? 

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松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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photograph byNanae Suzuki

posted2016/04/19 17:00

7人制ラグビーの祭典、香港セブンズ。世界最高峰の大会はまるで音楽フェス!?<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

日本は昇格決定トーナメントで優勝。昨季の降格から1シーズンでセブンズワールドシリーズコアチーム復帰を決めた。

まるでコスプレ世界選手権の南スタンド。

 そんな香港スタジアムの中に、行ってみたい場所があった。南スタンド。あの一角だけ、明らかにほかとは様子が違う。他のスタンドと同じく観客が座っているはずなのに、ピンクに黄色に赤に青。遠めから見ても、超カラフル。試合の合間にoasisの“Wonderwall”が流れると、カラフルな人の塊から大合唱が聴こえてくる。

 いざ、突入。南スタンドに足を踏み入れた瞬間、度肝を抜かれた。どこからどう見ても、コスプレ世界選手権だ。スーパーサイヤ人とスパイダーマンが生ビール片手にハグを交わし、スーパーマリオとグラディエーターが肩を抱いてテイラー・スウィフトの“Shake it off”を熱唱している。突然、南スタンド前にキャビンアテンダント姿の綺麗なお姉さんが何人も現れてダンスを踊り出したと思ったら、こちらは大会スポンサー・キャセイパシフィック航空の、本物のCAさんでした。

スーパーサイヤ人もバットマンも、とにかく楽しそう。

 コスプレイヤーたちの熱気は、ハロウィンの渋谷駅前の比じゃない。ハーフタイムに巨大スクリーンに自分の姿が映し出されれば、熱烈なキスを披露し、ビールを持ったまま強烈タックルを交わすバットマンたちまでいる。日が暮れる頃ともなれば、コンコースにはプロ野球のビールかけ会場と同じ匂いが漂っていた。

 ただ、不思議と危険は感じない。確かに応援しているチームが負けたときは悔しそうだけど、ダンスミュージックが流れた途端にまた笑顔、笑顔。せっかく香港まで来たんだから、エンジョイするっきゃないと、顔に書いてある。たとえ雨に降られようと、スーパーサイヤ人もバットマンも、とにかく楽しそうだ。

 うまそうに次々とビールを飲み干す彼らの姿に後ろ髪を引かれつつ、日本代表取材のために北スタンドにある記者席へ戻った。今大会の日本は、来季のワールドラグビーセブンズシリーズにフル参戦できるコアチーム昇格決定トーナメント(下位トーナメント)を戦う。予選リーグから準決勝までの5試合を見事に完封勝利で飾り、圧倒的な強さで決勝に進出した。

【次ページ】 完全アウェーの日本は予想以上の苦戦に。

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