セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
本田圭佑は新監督と何を話すのか。
アタッカー6番手の評価を覆す策は?
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2016/04/18 17:30
サンプドリア戦でスタメンを失った本田圭佑。来季の所属先も不透明なだけに、ここからの5試合は正念場となる。
バロテッリを、チームを、前監督を称えたブロッキ。
その後、81分にFWバッカはFWメネズと交代し、アシストを決めたMFボナベントゥーラも88分に、MFボアテングと代わってベンチへ下がった。
新監督ブロッキに、見違えるような働きぶりのFWバロテッリをベンチに下げる選択肢はなかった。先制直後に起きた両チームの諍いを速やかに収めるファインプレーも見せた元悪童を「ファンタスティックだった」と試合後に絶賛し、バロテッリもまた新監督を「俺たちのプレーを変えた。選手たちの気持ちがわかる監督だ」と支持した。
バレーリ主審がタイムアップの笛を吹いたとき、新米監督ブロッキの顔に浮かんだのは、初勝利の歓喜より、大過なく最初の関門を通過した安堵の表情だった。
太い首回りのシャツの襟とネクタイをやや緩めたブロッキは、試合後の会見で、開口一番にチームの土台を築いた前監督ミハイロビッチへの感謝を述べた。
選手たちの奮闘ぶりをひとしきり褒め称えた後、チームの指揮を執り始めてまだ1週間にも満たない新米指揮官は「(最終節まで)時間がないのはわかっているが、選手一人ひとりと対話をしたい。対話の中で、選手たちに私が求めるプレーへの理解を深めてもらいたいんだ」と指導方針を語った。
本田は監督との対話で、何を話すのか。
チームが再出発する中で、現時点の本田は絶対的だったレギュラーの座を失い、アタッカーとして6番手にまで降格した。
ブロッキは、近いうちに本田とも話をする機会を持つだろう。そのとき、本田はどう応えるだろうか。
来季EL出場圏の6位を死守したいミランは、勝ち点3を加えたことで一息ついた。だが、サッスオーロとラツィオから突き上げられるプレッシャーは次節以降も強まるにちがいない。
残るカンピオナートは5試合。
本田にとっても、ミランにとっても、シーズン最終戦まで決して楽観はできない。