サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
岡崎慎司100試合、中村俊輔98試合。
「あの人は本当に偉大な、大先輩」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2016/04/02 10:30
南アW杯、中村俊輔は途中出場でゴールを決めた岡崎慎司に祝福の声をかけた。2人の絆は今も続いている。
岡崎「あの人は本当に偉大な、大先輩」
シリア戦の翌朝の空港には、サインをもらおうとするファンが殺到した。そんな喧騒のなかでも、岡崎は時間の許す限りファンの求めに応じていた。
「うぉ、やったー! サインの横に『100』って書いてもらったよぉ!」
サッカー選手はサインの横に背番号を書き入れることが多いが、100試合出場を達成した記念として、背番号の代わりに『100』という数字を書きいれて欲しいとねだったファンのお願いにも岡崎は応えている。
そんなファンの勢いが弱まった一瞬のタイミングで、岡崎に中村に報告はしたのかどうかをたずねた。
「まだ、報告はしていません。今度、会ったときにきちんと言いたいと思います。それに、100試合出たからといって、ボクが俊さんを超えたわけではないので。あの人は本当に偉大な、大先輩。そうやって、試合数だけでは語れない価値のある選手たちは、何人もいますしね。
自分は運よく、試合数を重ねられただけですもん! まだ、まだ、これからも頑張っていきますよ」
印象に残るゴールが増えてきた最近の岡崎。
岡崎は不思議な選手だ。
「記憶の人」なのか、「記録の人」なのか。普通ならば、「ある程度のキャリアをつめばその方向性は見えてくる。
しかし、これまでは「記録の人」だった岡崎が最近は「記憶の人」としての側面を見せ始めている。
3月14日のホワイトデーにレスターで決めたオーバーヘッドからのゴールに、3月24日のアフガニスタン戦での華麗なファーストタッチと相手の股抜きをしてからのゴール。最近の岡崎は、テクニックを売りにしたストライカーのようなゴールを決めている。
ただこれまでも、2013年のコンフェデレーションズカップのイタリア戦でジネディーヌ・ジダンばりのマルセイユ・ルーレットを披露して相手を抜き去り、地元ブラジルのファンがどよめいたことがある。
突如として能力をあげた選手、というのは実態にそぐわない。