サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
キャプテン岡崎慎司の舞台裏に迫る。
実はハリルはエンターテイナー気質!?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byShigeki Yamamoto
posted2016/04/01 10:30
槙野智章にミーティングの司会を任せたりと、ハリルホジッチは実はチームの雰囲気作りに心を砕いている監督なのだ。
ハリルホジッチは「ギャップ効果」を使ったのか?
ハリルホジッチは就任当初、選手同士の部屋の行き来を禁ずるなど、試合以外の場面でも行動を厳しく締めつけていた。
しかし今回の合宿では、意見交換と気分転換もかねて、代表のホテルを離れて焼肉屋に食事に出かけたいという選手の申し出も快諾した。
口調がきつい。厳しい。そして、暗い。
不満を公表する選手こそいなかったが、最初の1年間の彼の印象は決して良くなかったことを考えれば、この変化は大きい。
心理学の世界では「ギャップ効果」という用語がある。しばしば恋愛などでも引き合いに出されるので、ご存知の読者も多いかもしれない。第一印象が悪い人は、そこから先は相手にポジティブな要素を見てもらいやすく、好感度が飛躍的に上昇することがあるというものだ。
ともすれば今回の代表戦では、初めて採用された4-3-1-2のフォーメーションや、監督の秘蔵っ子・原口元気のボランチ起用など、ピッチの中のトピックばかりに目を奪われてしまいがちだ。
しかしピッチ外におけるハリルホジッチの細心も、見逃してはいけない。それは必ず、ピッチの中に反映される。
長谷部から岡崎へ。一夜限りとなったキャプテンマークの“浮気”は、指揮官による細心のマネージメントを映し出す一つのサインなのである。