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出走前からレコードはわかっていた?
高松宮記念が超高速で決着した理由。
posted2016/03/28 11:15
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
NIKKAN SPORTS
「おいおい、今週の中京の芝はどうなっているんだ?」
そんな声が聞こえたなか、第46回高松宮記念(3月27日、中京芝1200m、4歳以上GI)は行われた。
前日、土曜日の第10レース、中京芝1200mで行われた1000万円下の岡崎特別では従来の記録(1分8秒0)をコンマ6秒も更新する1分7秒4、当日の第7レース、同じ芝1200mで行われた500万下ではそれをコンマ1秒更新する1分7秒3、そして直前の第10レース、芝2200mで行われた1600万下の名古屋城ステークスでは2分9秒9という日本レコードが飛び出した。
JRAのホームページで発表されたように、22日火曜日に芝刈りを実施したため、タフで知られた中京芝コースが、軽い、超高速馬場に「変身」したようだ。
といったわけで、スタート前からレコードが出ることがわかっていた特殊な条件下で、上半期のスプリント王決定戦のゲートが開いた。
騎手たちが口を揃えた「特殊な馬場」。
大方の予想どおり、ローレルベローチェがハナを奪い、ハクサンムーン、ミッキーアイルがつづいた。それらを見る絶好位につけた福永祐一のビッグアーサー(牡5歳、父サクラバクシンオー、栗東・藤岡健一厩舎)が、直線、馬場の真ん中から鋭く伸びて優勝。これがGI初出走だった同馬は、重賞初勝利をGI勝ちで飾った。
勝ちタイムは1分6秒7。第7レースで出たレコードを、さらにコンマ6秒更新するスーパーレコードだった。
「馬場がよかったので、スタートだけはしっかり決めなくては、と思ってレースをしました」と福永。
5着のエイシンブルズアイに騎乗した石橋脩も「特殊な馬場だったので、前半から出して行った」と話していたように、どの馬も簡単には失速しない馬場状態だったため、ハイペースになっても、ある程度前につけられる馬が有利だった。
また、6着のティーハーフに乗った池添謙一、7着のスノードラゴンの手綱をとった大野拓弥、18着サトノルパンの和田竜二らが「時計が速すぎた」と口を揃えたように、スピードの絶対値が問われるレースになった。