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2016年・米女子ゴルフツアー展望。
女王リディア・コに挑む2人のライバル。
posted2016/03/17 11:00
text by
武川玲子Reiko Takekawa
photograph by
AFLO
1月末にバハマで開幕した米女子ゴルフツアーはオーストラリア、アジアを転戦し、3月に入って米国本土に舞台を戻すと本格的なシーズンを迎える。
昨季、賞金女王に輝いた18歳のリディア・コ(ニュージーランド)は世界ランキング1位で今や女子ゴルフ界の頂点に堂々と君臨する。今季はそのコに、昨年最後まで女王争いを演じたパク・インビ(韓国)がどこまで迫れるか。また'14年にアメリカ人として21年ぶりの賞金女王を獲得したステーシー・ルイスが巻き返すことができるか。コ、パク、ルイスの“三つ巴”の戦いに注目だ。
コとパクによる熾烈な賞金女王争い、再び。
コの仕上がりは上々だ。オフシーズンには「1カ月間ゴルフをしないで完全休養。心身ともにリフレッシュした」とおっとりとした笑顔をみせるも、スイングコーチのデビッド・レッドベター氏らとトレーニングに励む。野球のバットでテニスボールを打つドリルを取り入れ、下半身と腕のローテーションの動きを強化してきた。2月、自身の今季2戦目を母国のニュージーランド女子オープンで迎えると期待通りに大会連覇。筋力が増したことで、どっしり感も出てショットの精度に磨きが掛かった。
一方のパクは開幕戦を腰痛で途中棄権とやや苦しいスタートとなった。「腰痛は持病。とくに寒い時期は痛みが起こりやすいだけ」と幸い大事には至らず4戦目から復帰した。パクの強さはパッティングの上手さ。決まりだしたら手が付けられない彼女は、今季もコの最大のライバルになりそうだ。
S・ルイスが元女王の意地を見せるか?
ルイスも序盤から安定の強さを見せている。昨季は未勝利で2位が6回、賞金ランキングも3位に終わり悔しいシーズンだった。その理由は一昨年まで使用していたボールが製造中止となったため、新しいボールに変えたこと。「肝心なところで自分を信頼できなかった」と勝てなかった昨季を振り返る。だが、新ボールにもようやく馴染んできており、巻き返しのチャンスは十分にありそうだ。