Sports Graphic Number MoreBACK NUMBER
2016年・米女子ゴルフツアー展望。
女王リディア・コに挑む2人のライバル。
text by
武川玲子Reiko Takekawa
photograph byAFLO
posted2016/03/17 11:00
今年の女子ゴルフはリオ五輪でヒートアップ!
今年の女子ゴルフはリオ五輪に向けて、各選手がエキストラ・モチベーションを見せている。112年ぶりに正式種目に復活するが、女子にとっては1900年のパリ大会以来2度目の五輪。さらに男子ゴルフほどメジャー大会の注目度が高くないから女子選手の五輪への思いはとても熱い。
出場権争いが熾烈となるのは韓国勢だ。各国上位2名の出場枠だが、世界ランキング15位内であれば最大4名が出場できる。15位内の韓国勢は7名(3月7日現在)。今季すでに2勝を挙げたチャン・ハナは5位に浮上し、昨年3勝して新人賞を取ったキム・セヨンは7位で出場圏内だが、続く8位のチョン・インジはこのままでは出場できない。代表が決まるのは7月11日。それまで必死に勝利を狙ってくる韓国勢が、再びツアーを席巻するかもしれない。
日本代表は野村か、宮里か、それとも……。
その熾烈な戦いは日本勢も同じ。2月、米ツアーに組み込まれているオーストラリア女子オープンで、ツアー初勝利を挙げた野村敏京がランク41位と、日本勢トップの宮里美香の36位に次ぐ2番手に浮上した。もともと飛距離が武器の野村は「このオフは徹底的にショートゲームを練習してバリエーションを増やした」とアプローチ、パットが上達し勢いに乗っている。好調な滑り出しの宮里美香も「今年の目標は五輪に出ること」と公言する。「そのために年明けからトレーナーさんと体力作りを重点的にやってきた」と例年以上に過密なシーズンを見据える。米ツアー2年目を迎えた横峯さくらはようやく慣れを見せ、野村の勝利に触発されて悲願の米ツアー勝利を達成できるか。渡米11年目の宮里藍を含めて、今季は日本勢にも期待をかけたい。