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「FWの自信」を取り戻した浅野拓磨。
決勝2ゴールの伏線は“あのプレー”。 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2016/02/09 10:30

「FWの自信」を取り戻した浅野拓磨。決勝2ゴールの伏線は“あのプレー”。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

浅野拓磨のスピードと得点感覚というスペシャリティは、日本人屈指。五輪本大会での起用方法にも注目が集まる。

「自分のメンタルの弱さが出てしまった」

――なぜ、打たなかったのか。

「それは、みんなにも言われました。その前のチャンスを決めることができなかったので、自信を持ってシュートに行けなかったんです。自分のメンタルの弱さが出てしまったと思います。あそこでもっと自信を持ってゴールに向って行ければ、またひとつ上のレベルのFWになれるのかなと思いますが、そこは自分との戦いですね。

 でも、すごく後悔しています。このままじゃ終われない。次のゴールを決められるチャンスをみんなが残してくれたんで、自分の初ゴールがベスト4突破に貢献できるよう気持ちを切り替えて次の試合で悔しさをぶつけていきたいです……」

 浅野は、厳しい表情でそう語った。

何度も自問自答した「弱気」。

 その夜はなかなか寝付なかった。

 なぜ、シュートを打たなかったのか。何度も自問自答した。

 2015シーズンは、ゴールを目指して思い切りプレーしたことで結果を出せた。それが自分の持味だが、リオ五輪代表では出し切れていない。もどかしさを抱えながらプレーしていたが、1点決まればいろんなものが好転するだろうと考えていた。だが、状況を好転させる絶好のチャンスを、浅野は自ら放棄してしまった。

 それはFW失格とも言える弱気だ。

 そう思うと、後悔が波のように押し寄せてきた。目を閉じても意識が覚醒し、何度もあのシーンが甦った。まるでサッカーの神様から猛省を促されているようだった。

「クヨクヨしても仕方がない。翌日には、次もし試合に出るチャンスをもらって、ボールが来たら絶対に自分がシュートを打とうと心に決めました」

 だが、チャンスはそう簡単にやってはこなかった。準決勝のイラク戦は後半33分に出場したが、プレー時間はごく僅かのまま試合は終了した。

【次ページ】 決勝は浅野が集中できる状態だった。

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