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グアルディオラが最後に狙うのはCL。
理想からリアリズムに舵を切った!?
 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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posted2016/01/27 10:40

グアルディオラが最後に狙うのはCL。理想からリアリズムに舵を切った!?<Number Web> photograph by Getty Images

今季限りでバイエルンを去ることが決まっているグアルディオラは、プレミア行きが取り沙汰されている。

サイドバックが中盤に入る独自システムの復活。

 たとえば「偽インテリオール」の復活だ。

 ペップはバイエルンを率いた1年目、サイドバックの選手が攻撃時にボランチの位置に入る新システムを考案した。それをペップは「偽インテリオール」と呼ぶ。日本代表でたとえるなら、内田篤人が攻撃時のみボランチになるイメージだ。

 ペップ2年目となる昨季は3バックを採用することが多く、さらに試合中に頻繁に基本布陣を変えたため、「偽インテリオール」はほぼ封印していた。

 だが今季は再び採用する試合が増え、後期開幕戦では右サイドバックのラームが攻撃時にシャビ・アロンソの横に上がり、明らかにボランチになっていた。

守備時と攻撃時の形を見ると……。

 後期開幕時点のバイエルンの布陣を書くと、次のようになる。

【守備時】4-3-3
GK:ノイアー
DF:ラーム、ボアテンク、バドシュトゥバー、アラバ
守備的MF:アロンソ
攻撃的MF:ミュラー、チアゴ
FW:コスタ、レバンドフスキ、コマン

【攻撃時】3-3-4
GK:ノイアー
DF:ボアテンク、バドシュトゥバー、アラバ
守備的MF:ラーム、アロンソ
攻撃的MF:チアゴ
FW:コスタ、ミュラー、レバンドフスキ、コマン

 ただし、1年目とやり方が全く同じだったわけではない。今回は左のアラバは最終ラインにとどまり、右のラームのみが「偽インテリオール」となっていた。

 ペップ1年目は両サイドバックが「偽インテリオール」となり、最終ラインは実質2バックのようだった。だが今回のハンブルク戦では、アラバが最終ラインにとどまることで攻撃時にはきれいな3バックになっていた。

【次ページ】 ロッベンすら守備のためにはベンチなことも。

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