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グアルディオラが最後に狙うのはCL。
理想からリアリズムに舵を切った!?
posted2016/01/27 10:40
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph by
Getty Images
「私がやりたいのは、私の視点を通して選手のサッカーへの理解を促し、成長を助けることだ」
ジョゼップ・グアルディオラ(バイエルン監督)
バイエルン・ミュンヘンのブランド力を考えたら、手放しで喜べる試合内容ではなかった。
1月22日、バイエルンは後期開幕戦でハンブルガーSVと敵地で戦い、前半38分にPKで先制したが、後半8分に相手のFKに対応できず追いつかれてしまった(シャビ・アロンソのオウンゴール)。後半16分にレバンドフスキの得点で何とか勝ち越したが、危ういシーソーゲームだった。
今、バイエルンは特別な重圧にさらされている。ペップ・グアルディオラ監督が今季いっぱいで退任することが決まったからだ。
グアルディオラのラスト4カ月、勝算は?
ペップの在任中、唯一手にしていないタイトルはチャンピオンズリーグ(CL)優勝であり、だからこそサポーターとメディアはそれを心から望んでいる。ブンデスの中堅と“接戦”を演じているようでは、とてもその高い要求に応えることはできない。このままではCLで優勝できないのではないか、と不安が高まるのは当然だろう。
だが、ペップは周囲の不満をよそに、ハンブルク戦後の会見で自信たっぷりにこう言った。
「選手たちは素晴らしいプレーをした。ウィンターブレイク明けの初戦は難しいものだ。にもかかわらず、相手にチャンスをほとんど与えず、こちらはチャンスをたくさん作った。私たちはひとつのチームになっていた」
ラスト4カ月、いったいペップはどんな戦略を練り、どれだけの勝算があるのだろうか? ハンブルク戦を注意深く見ると、思考を読み解くヒントが隠れていた。