日々是バスケBACK NUMBER
米国で戦うバスケ界のサムライたち。
渡邊雄太と田渡凌の選手生活を追う!
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byDominican Athletics/Hallie Balch
posted2016/01/07 10:50
ドミニカン大で活躍する田渡。彼のツイッターで、そのアメリカでの日々を知ることができるので、是非アクセスしてほしい。https://twitter.com/tawatariryo
渡邊雄太が所属するジョージワシントン大が好調だ。1月6日現在、12勝3敗。12月には2週続けて、二大全米週間ランキング、AP(識者の投票)とUSAトゥデイ(コーチ協会の投票)の両方で、全米トップ25入りを果たした(12月14日付でAP21位、USAトゥデイ22位、12月21日付では両ランキングで20位)。アメリカのトップレベルにあるNCAAディビジョンⅠ(以下、D1)に所属するのは全部で351チーム。その中で2週続けてトップ25入りするというのは、すばらしい快挙だ。
渡邊自身が今シーズンの目標にあげているシーズン末のNCAAトーナメントに出場できるのは、全部で68チーム。カンファレンス優勝チームと、ランキング上位チームから選ばれる。まだシーズン半ば、この先ランキングも入れ替わっていくが、少なくとも、前半戦では目標に近づくことができた。
昨シーズン、1年生ながらシーズン途中からスターターに昇格し、平均7.4点、3.5リバウンドを記録した渡邊は、今シーズンはさらにレベルアップ。全15試合でスターターとして出場し、11月24日のガードナー・ウェブ大戦で19点をあげている。平均8.7点、3.4リバウンドと数字だけ見ると昨季とほぼ同じだが、今シーズンに向けて身体を鍛えてパワーを上げており、試合を見ると、数字以上にプレーの幅が広がっているのがわかる。
渡邊の凄さを最も知る男とは?
もっとも、こうやって数字を並べても、渡邊のやっていることの凄さにピンとこない人のほうが大半ではないだろうか。
そのレベルの高さを知る1人が、現在、ドミニカン大の3年生ガードとしてプレーする田渡凌(たわたり・りょう)だ。
渡邊より先にアメリカに渡り、紆余曲折、色々と回り道をした末に、今季からD1のひとつ下、NCAAディビジョンII(以下D2)に所属するドミニカン大に入った。
「あいつ、すごいですよね。自分は日本にいる人よりも、渡邊がやっていることがどれだけすごいことかがわかっていると思う。あのレベルで二桁得点取るのって本当にすごいんです」と絶賛する。正直、一選手として悔しい思いがないわけではないが、と同時に、同じ日本人選手として誇らしいという思いも強いという。