野球のぼせもんBACK NUMBER
球界史上初の年間100勝も夢じゃない!?
'16年も“球界の盟主”はホークスだ!
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byNanae Suzuki
posted2016/01/01 11:00
ヤクルトとの日本シリーズ第1戦で激走する長谷川勇也。持ち前の俊足巧打の復活を期待したい!
“熱男”の残留はホークス最大の補強である。
さあ、その注目新人も加わる'16年へ。
今オフは和田毅の補強以外に珍しく目立った動きのないホークスだったが、12月24日、海外FA権を行使して去就が注目されていた松田宣浩がホークス残留を表明したのが何よりのビッグニュースだ。
「12球団一の熱男」を自任する松田の存在は、じつはグラウンド外においても大きな戦力だ。プロ野球は個の集団である。たとえチームが勝っていても、不調に苦しむ選手がいれば、周りも気を遣ってしまう時がある。しかし、松田は率先して傍に行き、声をかけて、チームの輪をいつも強力にしていた。
現在の強いホークスの核となっていたのは松田だ。鷹ファンは最高のクリスマスプレゼントを受け取ったといえる。
'16年も柳田や松田が球界を熱く盛り上げ、サファテが変わらぬ安定感を見せれば、ホークスの黄金時代は安泰間違いなしだ。
今季は低迷した男たちも'16年の逆襲を誓う。
だが、一方で、彼らにこれ以上の上積みを期待するのは酷でもある。
その意味では、日本一連覇に貢献できなかった「逆襲を誓う選手」に注目したい。特に3人の男たちの今オフに発した、熱き魂のこもった言葉を紹介したい。
●長谷川勇也
'13年首位打者&最多安打も、'15年は出場30試合、打率.224に終わる
「今までの野球人生の中で一番苦しんだ一年でした。'16年からは選手会長になります。僕もビールかけで音頭を取りたい。143試合すべてグラウンドに立ち続けるのは当然、僕としては『200(安打)』という数字を軽く超えたいですね。軽く超えたい。そのためのテクニックを身につけて次のシーズンに臨みたいです」
●本多雄一(副キャプテン)
'10年、'11年の盗塁王も、ここ数年は故障に苦しみ'15年は61試合5盗塁と低迷
「ここ数年は怪我をして試合に出る機会も少なくなっています。でも、秋のキャンプは(「工藤塾」に志願入門するなど)かなり充実していました。もう、あんな気持ちになりたくない。最悪を最高に変える'16年に。本当に精神的にはつらかった。その苦しみを無駄にしたくない」
●森福允彦
'14年まで4年連続50試合以上登板のリリーバーだが'15年は32試合。勝負所のシーズン終盤はファーム暮らし、日本シリーズもベンチ外
「自分自身の成績に対してリベンジしたい。強気が持ち味のはずなのに、結果を求めるあまり、次につながらないその場だけのピッチングになっていました。弱気は最大の敵。12月も、例年は休養に充てていましたが、このオフはずっと東京でトレーニングを行っていました。登板数は信頼の証。来季の50試合登板は通過点です」