野球のぼせもんBACK NUMBER
球界史上初の年間100勝も夢じゃない!?
'16年も“球界の盟主”はホークスだ!
posted2016/01/01 11:00
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
Nanae Suzuki
Number Web版“プロ野球・ゆく年くる年”企画は、全12球団の短期集中コラムシリーズです。年末年始にかけて、全12球団の2015年の振り返りと2016年の夢を、チームへの思い入れたっぷりの筆致でお伝えいたします!
第8回目は日本一のV3がかかる、福岡ソフトバンクホークスです。
今まさにプロ野球は、ホークス天下の時代である。
'15年、悲願だった球団史上初の2年連続日本一を成し遂げたが、その強さは前年以上だった。ペナントレースでは史上11例目のシーズン90勝を挙げる超独走でパ・リーグを連覇した。ついでに言えば、オープン戦と交流戦も勝率1位で戦い抜いた。
戦力が頭一つどころか二つ、三つも抜けている印象だ。
豊富な資金力。それは否定できない。
強大な親会社がバックについているから。
いや、それは少し違う。
以前は資金援助を受けていたが、現在では球団自体で黒字を挙げているという。営業努力や企画力、行動力。一部では「球界の盟主の座が移った」などと評されるまでの球団になった。
高橋純平も憧れる守護神サファテの快刀乱麻。
'15年、選手の主役は、やはり柳田悠岐だった。
トリプルスリー達成の大快挙。当然のパ・リーグMVPである。その表彰式では恥ずかしがりながらも「(自分の名前が)呼ばれるかなと思っていました」と胸を張った主砲だが、数日後に発表された流行語大賞の受賞はさすがにまったくの予想外。その事実を知ったのは当日会場に到着してからで、「ウソでしょ」「ヤバいでしょ」を連発。本当に冷や汗をかいていたそうだ。
勝手に「準MVP」を選定するならば、デニス・サファテを挙げたい。パ・リーグ新記録の41セーブを記録した守護神は、ホークス在籍2シーズンで、計129試合に登板して12勝2敗78セーブ、防御率1.08の成績を残している。もはや敵なしといって過言ではない。
'16年の黄金ルーキーとして期待のかかる高橋純平も、目標とする投手にサファテの名を挙げたほど。
「(日本一連覇を決めた)'15年の日本シリーズ第5戦、最終回のピッチングが衝撃的でした。あのストレートを投げられれば絶対に打たれることはない。同じピッチャーとして、あのボールを、僕は9イニング投げられるピッチャーを目指したいと思ったからです」