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松山英樹&石川遼のキャディ大対談!
「2人は同じ価値観を持っている」 

text by

桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byYoichi Katsuragawa

posted2016/01/01 10:30

松山英樹&石川遼のキャディ大対談!「2人は同じ価値観を持っている」<Number Web> photograph by Yoichi Katsuragawa

松山英樹のキャディを務める進藤さん(左)と、石川遼のキャディを務める佐藤さん(右)。

「お前がちゃんとしないから松山は予選落ちしたんだ」

 出会いから18年あまり。憧れの先輩、同級生、そして年下のボス。出会いを大切にしながら育んできた日々がたどった2本の線はいま米国で再び交わり、同じ方角を向いている。そして、プロキャディという黒子の役割に徹しながら、描く夢がそれぞれにある。

進藤「例えば寛を含めた僕ら3人の距離感って、何も変わらないんですよ。周りから見たら面白い関係性かもしれないけれど、大学時代からエスカレーターに乗って、いまは3人がアメリカでたまたま一緒に仕事をしているような……。僕らは昔から同じボールを投げて、取って、返してきた。時間が経つにつれて、遊び場が変わって、今はまた新しい公園で遊んでいる感じかな」

佐藤「でもやっぱり、松山英樹と石川遼って、日本では“2トップ”のように捉えられている。そこに大ちゃんが早くからいて、自分もそこに加われるとなったら、こんなに嬉しいことはなかった。年も一緒だし、彼らとの年の差も」

進藤「日本だと福祉大の関係者がゴルフ界には多いから感じなかったけれど、2014年の全英オープンだったかな。メジャーで、優作、寛、賢和と揃った時は、確かに感慨深かった」

佐藤「4人で写真を撮ろうって言っていたのに、結局忘れちゃったね。大学の時を思えば、同級生がメジャーで集まるなんてことは、奇跡的かもしれない」

進藤「英樹のバッグを担ぐことは、光栄だけれど、少なからずプレッシャーはあります。僕、キャディをやっていてギャラリーの方からバッシングを直接的に受けたのが、2013年でした。ハワイでの試合で、英樹が予選落ちをして、土曜日に練習をしていたんです。日本人の方に『お前がちゃんとしないから松山は予選落ちしたんだ。この野郎!』って怒られて。当時、英樹はまだアマチュアだったけど、彼は既に多くを期待されていると分かった。だから僕も頑張ろうと思えた」

佐藤「おれも……遼を担いでから、特にネットの媒体は見ないようになった(笑)。読者の方のコメントを初めて見た時にヘコんじゃって『石川のキャディ、あいつで大丈夫なのかよ』って。ちょうど結果が出なかった時で、見ていたら怖くなってしまった。でもね、2人にしてみたら、僕らの苦労なんてなんでもない。遼は常に英樹と比べられて、最近は力の差がはっきり数字で出ている。世界ランク、賞金ランク、英樹が上にいるうちは、遼はアクセル全開。ブレーキは踏めない。でもそれが刺激になっていると思う」

松山と石川が持っている、同じ言葉と価値観。

進藤「2人が互いを意識しないわけがない。遼が頑張っていたら、英樹も『おれも頑張ろう』と思う。この前も、英樹が遼に『コーチを付けることに関してどう思う?』なんて、聞いていた。同じ日本から来た同級生。同じ言葉で話せて、同じ価値観を持っている。肩を組んで一緒に戦うような、2人しかわからない感覚、つらさがある」

佐藤「来年の目標は、やっぱり初優勝。それにプレーオフも最後まで行ってみたい。そしてマスターズ。この夢を叶えるためには、いまのPGAの舞台が近道だと思う」

進藤「僕らはいつクビになるか分からないけれど、最後はもちろん全部のメジャーで英樹の優勝をサポートするのが夢。来年はもっと、優勝争いの経験を増やしたい。そしてもっと、日本からもPGAツアーに注目してほしいと思う。アメリカに行ったら『俺は昔、友利勝良さんのキャディをやっていた』とか『ジョー尾崎は元気か?』なんてよく言われる。田中秀道さん、久保谷健一さん、宮瀬博文さん、宮本勝昌さん、谷原さん……たくさんの選手が挑戦して、日本に帰った。でも向こうでは、1年でもやることは本当に大変なんだ」

佐藤「日本ではなかなか評価されていないことが残念」

進藤「携帯電話もない時代、寂しい孤独感を味わいながら、道を作ってくれた方がいて、英樹や遼がいる。そして僕らもいる。リスペクトを忘れちゃいけない」

佐藤「そういえば、まだ2人はアメリカで一緒に回ったことがないんだね。オレと大ちゃんはさておき、本人たち同士が回ってみたいんじゃないかなあ。確かに、こっちも2人が戦うところは見てみたい」

進藤「うん。外からはいつか、PGAツアー、メジャーで一緒に優勝争いしているところを見たい気もする。でもキャディとしてはどうだろう……。一緒に回っていたら、お互い頑張れ! って思っちゃうかも。2人とも頑張って、他の奴らに負けるな!って」

佐藤「そうだね。きっと普段の試合よりも、ずっと疲れちゃうだろうな(笑)」

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