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恋もゴルフも人生の波が大きすぎる!
マキロイは、世界3位なのに親近感。
posted2017/03/12 11:30
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph by
Sonoko Funakoshi
メジャー4勝、米ツアー通算13勝、世界9勝を挙げ、世界ランキングは3位(3月6日現在)。数字が示すローリー・マキロイは、押しも押されもせぬ世界屈指のトッププレーヤーである。
だが、この選手から漂ってくる空気は「雲の上の人」というピリピリ感ではなく、むしろ「オレの友達、結構強いんだぜ」というような親近感。比類稀なる才能も実力も実証済みだが、突出した選手でありながら、なぜそんなふうに親しみを呼ぶのか。
それはきっと、マキロイの言動に妙な“オチ”が付いてくることと関係がある。
2歳で40Y飛ばし、モップへアの少年は一躍スターに。
マキロイは北アイルランドのホーリーウッドという田舎町で生まれた。地元のゴルフ場内でバーを経営していたスクラッチプレーヤーの父ゲリーに手ほどきを受け、2歳のときからゴルフクラブを握り始め、「瞬く間に40Yを飛ばした」という逸話を生んだ。
2007年の世界アマランクで1位になり、全英オープンではベストアマ。同年、プロ転向直後のわずか2試合で欧州ツアーシード権を獲得したマキロイの名は世界へ轟き、2009年のアクセンチュア・マッチプレー選手権が米ツアーのデビュー戦になった。
だが、鳴り物入りでやってきたマキロイを迎えた米ゴルフ界の反応は、最初は冷めていた。口の悪い米メディアはマキロイの巻き髪に着目し、「Mop-top hairdo(モップヘアのお兄ちゃん)」と、あか抜けない素朴な少年を揶揄していた。
だがモップヘアの少年の成長は、想像以上に目覚ましかった。2010年にクエイルホロウ選手権で米ツアー初優勝を挙げると、2011年マスターズでは圧勝する勢いを見せた。
「すごいぜ、ローリー!」
「これぞ、ネクスト・タイガーだ!」
世界のゴルフファンが興奮を覚えた矢先、マキロイは最終日のバック9で大きく崩れ、「80」を叩いて15位に終わった。