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韓国人初の日本球界2ケタ勝利を!
ロッテのイケメン投手、イ・デウンの夢。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byNaoya Sanuki
posted2015/11/29 10:50
高卒後、韓国プロ野球界入りせずメジャーへ渡り、シカゴ・カブスに入団したイ・デウン。プレミア12では、準決勝で大谷翔平と投げ合うこととなった。
韓国人投手初の日本プロ野球二桁勝利を!
そんな彼に今後について尋ねてみるとこんな答えが返ってきた。
「(韓国人投手初の日本プロ野球二桁勝利は)あまり意識していない。でも1人のプロの投手として年間二桁は達成したい」
今季の成績は先発とリリーフを行き来しながら37試合に投げて9勝9敗、惜しくも記録にはあと一歩届かなかったが、韓国人初の二桁勝利の記録を残したら、日本のプロ野球に名前が残るかも、と私が付け加えると、
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「少し欲が出てきますね。でも1試合、1試合が大事なのでチームの勝利に向かって投げるだけです」と笑顔で返した。
単なるアイドルスターじゃない。18歳で自身の夢を叶えるため、単身海を渡った強固な意志を持っている。
日本戦の勝利後、韓国代表のチームメイトと喜びを分かち合う彼は、大きな声をあげるでもなく、派手に飛び上がるのでもなく、なんだかホッとしているようだった。
祖国にいる家族にほんのちょっぴり恩返しができた――そんな安堵感に浸っていたのかもしれない。