猛牛のささやきBACK NUMBER
“逆転イッパツマン”北川コーチが
オリ打線に教える「二段構え打法」。
posted2015/11/30 10:30
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
NIKKAN SPORTS
「これラストやぞー。しっかり飛ばせよー」
「ハイー」
秋季練習の全体練習後、特打を行なっていた安達了一と、打撃投手を務めていた北川博敏一軍打撃コーチが軽口を交わし合う。
5位に終わった今季終了後、オリックスはコーチ陣が大幅に変わり、北川コーチが一軍スタッフに加わった。
その陽気な関西弁が響き渡ると、一気にグラウンドの雰囲気が明るくなる。
元来の、人好きのする笑顔と明るいキャラクター。それに加え、3年前まで現役だったため、共に戦った気心の知れた選手が多いこともある。年齢的には離れていても、現役の頃から、後輩にとって親しみやすい、距離の近い先輩だった。
以前、「オリックスの選手間はどうしてそんなに仲がいいのですか?」というファンからの質問に、T-岡田がこう答えていた。
お父さんみたいな親しみやすさ。
「僕が入った頃から、北川さんみたいな親しみやすい先輩がいて、そういう雰囲気が今も受け継がれているからじゃないでしょうか」
二軍コーチ時代には、休日に20歳以上も年の離れた若手選手と釣りに出かけ、「お父さんみたい」と言われていた。
それでいて、選手にとって耳の痛い苦言もズバッと口にする。
その指摘は、この1年の経験を経て鋭さを増した。