球道雑記BACK NUMBER
韓国人初の日本球界2ケタ勝利を!
ロッテのイケメン投手、イ・デウンの夢。
posted2015/11/29 10:50
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph by
Naoya Sanuki
侍ジャパンが決勝進出ならなかった11月19日の夜、その裏でひそかにSNSを賑わせていたのは韓国代表の先発マウンドに立った千葉ロッテ・李大恩(イ・デウン)の容姿のことだった。
「韓国のピッチャーかっこいいね」
「韓国のピッチャーかわいい顔してるね」
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なかには、「仮面ライダードライブ」チェイス役の上遠野太洸(かとおの たいこう)さんに似ているというものや、テレビで人気のお笑いコンビ「ロッチ」のコカドケンタロウさんに似ているというものまで、試合の行方とはおよそ関係のない話題で、盛り上がっている視聴者もかなりいた。
確かに彼の容姿は、限りなくアイドルの(いや、ファッションモデルといった方が正しいだろうか?)それに近い。188cmの長身、すらりと伸びた長い手足、端正な顔立ち、それでいてユニフォームを脱げば、なかなかセンスが良いコーディネートで身を包んでいる。その姿であらかじめ呼び止めていたタクシーに乗ってさっそうと球場をあとにする。アイドルスターと見間違うほどだ。
球場にはアイドルのコンサートのノリで、ハートマーク入りの「デウン様」と書かれた自作うちわを持参するファンもいる。そんな彼がゴールデンタイムの、しかも注目度の高い日韓戦、プレミア12準決勝の先発として、日本のエース大谷翔平と投げ合ったのだ。当然これまでの倍……いや、その何倍以上の反響もあったわけだ。
ロッテのエース、涌井から見たイ・デウンとは?
シーズン終盤のある日、彼に声をかけ、少し話を聞いてみた。
一見、寡黙そうに映るが、インタビュー中にはしっかりこちらに顔を向けて、時折笑顔を見せるなど真摯に対応してくれる。チームメイトによれば一度声をかければ向こうからもどんどん話しかけてくるし、きさくな面もあるようだ。
イ・デウンと何度か食事にも行っている千葉ロッテの涌井秀章は、彼の性格についてこう語る。
「アメリカ系韓国人みたいな感じですよ。あまり練習しないですし……(笑)。韓国の人ってすごく練習するイメージがあるじゃないですか。でも、先輩や目上、年上の人に対しては言うことを聞くし、そこは韓国の文化としてちゃんとしているって感じですよね」
練習態度については、彼が高校を卒業後、8年間過ごしたアメリカと日本の練習時間、考え方の違いもあるだろう。涌井のいう「アメリカ系韓国人」は、そういう意味合いとジョークも含んでいる。