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井端と内川が語った「逆方向」の鉄則。
筒香嘉智の打撃は国際大会に強い? 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byNanae Suzuki

posted2015/11/17 11:20

井端と内川が語った「逆方向」の鉄則。筒香嘉智の打撃は国際大会に強い?<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

2015年は打率.317、本塁打24、打点93と主要3部門で自己記録を更新した筒香嘉智。

今大会の相手投手陣はレベルがそこまで高くないが……。

 初開催のプレミア12は、メジャーの40人枠の選手は不参加で、中南米ではウインターリーグの真っ最中ということもあり、出場選手の質がそうは高くないのが実情だ。

 特に目につく傾向としては投手、特に2番手以降の控え投手になるとガクンとレベルが落ちるということだった。

 レベルが下がった投手ならば、多少強引にいってもヒットは出るし、長打も打つことができる。ただ、これがよりハイレベルな投手相手となるとボールはさらに動くし球威も増す。今と同じバッティングではなかなか同じような好結果は出ないだろう。そう考えると、ここでいかに逆方向を意識した打撃ができているか。それが今後の大きな国際大会で主軸打者となれるかどうかの一つのポイントなのである。

WBCや五輪で、筒香は4番候補になってくる。

 初代表で4番を打った中村や連夜の大活躍の中田が注目を浴びた今大会。ただ、2017年のWBCや'20年の東京五輪での世界一奪回を睨むとすれば、一番の収穫は実は筒香だったと言えるのかもしれない。

「もちろん右方向に強く打ちたいという気持ちはありますけど、そこで(ポイントを)前で打とうとすると強引になるし凡打してしまう。だからそういう気持ちをいかに捨てるかですね」

 この日の「4番・筒香」は中村の欠場による仮の姿だ。ただ、2年後のWBCや5年後の東京五輪では、おそらく真の4番としてこの筒香の名前が上がってくるはずである。

 これまでの6試合でこのスラッガーが見せた打撃は、そう思わせるに十分な結果と内容を伴ったものだった。

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#筒香嘉智

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