プロ野球亭日乗BACK NUMBER
井端と内川が語った「逆方向」の鉄則。
筒香嘉智の打撃は国際大会に強い?
posted2015/11/17 11:20
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Nanae Suzuki
圧勝での準決勝進出となった。
プエルトリコとの準々決勝は初回に筒香嘉智外野手(DeNA)の適時打で先制すると、3回には平田良介外野手(中日)のタイムリー、3回にも坂本勇人内野手(巨人)の2点適時二塁打などで着々と追加点を奪った。投げても先発の前田健太投手(広島)が7回を4安打7奪三振の快投でプエルトリコ打線を圧倒。
負ければ即敗退で日本に戻って試合ができないという重圧のかかった試合だったが、終わってみれば9-3というここまでで最も楽な戦いとなった。
「まず先制点を取ること」
前日の会見でこの試合のカギをこう語っていた小久保裕紀監督だったが、その大事な1点目をたたき出したのが「4番・筒香」のバットだった。
シーズン中以上に強い、逆方向への意識。
この大会の不動の4番だった中村剛也内野手(西武)が、前日のベネズエラ戦で右太ももを痛めて欠場。代役に座ったのはこれまで小久保ジャパンで4番を打ってきた中田翔(日本ハム)ではなく、打線の流れを重視した形で5番から打順を一つ繰り上げた筒香だった。
「中村さんがケガをして入っただけ。後ろに中田さんもいて、いつも通りにプレーできました」
こう語った筒香は初回、1死一、二塁のチャンスに先制の左前適時打。3回の第2打席では1死から中前安打を放ち、8回にも中前安打と大会通算3度目の猛打賞を記録。これで大会通算も20打数9安打で4割5分のハイアベレージとなった。
「もともと自分はシーズン中から逆方向を意識するバッティングですけど、やっぱり外国人のピッチャーは動くボールが多いので、その球を無理に打ちにいくと凡打になる確率が高くなると思うんです。だからこの大会では特に、コースに逆らわずに打つことを意識している。その分、ボールもよく見えていると思います」
好調の秘訣を筒香はこう明かす。