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マラソン世界新記録
2時間2分22秒が出る日は遠くない。 

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小川勝

小川勝Masaru Ogawa

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photograph byAFLO

posted2015/11/12 10:00

マラソン世界新記録2時間2分22秒が出る日は遠くない。<Number Web> photograph by AFLO

ケニアのデニス・キメットは、2014年のベルリン・マラソンに出場し、2時間2分57秒の世界記録を樹立。この記録はいつ破られるのだろうか。

キメットの世界記録は十分に更新可能。

 この世界記録が、十分に更新可能であることは、このペース展開を見ると理解できる。この世界記録が、前半から驚異的なペースで飛ばして、終盤に少しずつペースを落として記録されたものであれば、限界に近いタイム、今後、更新される可能性は、あまりない記録ということになるだろう。

 だが、実際はそうではない。ペースメーカーが外れた30kmから、これだけ大幅なペースアップができるということは、それだけスタミナに余裕があったということだ。ということは、前半のペースがほんの少し上がっても、30kmからのスパートは可能であろうと考えられる。なぜなら、5kmごとのタイムが1秒から2秒アップしても、それは風の条件等によって、変化する範囲内であって、30kmまで、ほとんど同じエネルギー消費で、実現可能なタイムだと思われるからだ。かりにスタートから5kmごとのタイムが平均1.5秒ずつ速くなったと仮定すると、30kmの通過時間は約10秒速くなる。つまり10秒程度の更新であれば、レース当日の気象条件次第で、十分に可能なものであろうと予測できる。

 キメットのような選手がいる以上、30kmまで、5kmごとの平均タイム、約14分36秒というペースが、マラソンを走るうえで人類の限界のペースとは思えない。では、どれくらいまで上げることが可能なのか。その正確な予測は、なかなかできない。できることは、現在の世界記録を元に、可能性のある予測を立てることだ。

なぜ、男子マラソンだけ世界記録が伸び続けているのだろうか? その一つのヒントは、ある国の人材発掘の仕組みができたことにあるという。
人類のマラソン記録はどこまで伸ばせるのか。そして、日本人選手が世界記録を更新する可能性は――?
つづきは、雑誌「Number Do」、もしくはNumberモバイルでお読みください。

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