詳説日本野球研究BACK NUMBER
野手は高校卒が優位、投手は真逆。
プレミア12代表に見る選手の育ち方。
posted2015/09/23 10:30
text by
小関順二Junji Koseki
photograph by
NIKKAN SPORTS
以前、日本ハム野手陣が高校卒で占められているという記事を書いて大きな反響をいただいた。
一塁=中田翔(大阪桐蔭)、二塁=田中賢介(東福岡→2年間アメリカでプレーしたのち復帰)、遊撃=中島卓也(福岡工)、左翼=西川遥輝(智弁和歌山)、中堅=陽岱鋼(福岡一)、指名代打=近藤健介(横浜)という顔ぶれで、その他にも飯山裕志(れいめい)、杉谷拳士(帝京)、浅間大基(横浜)、石川慎吾(東大阪柏原)、谷口雄也(愛工大名電)と、一軍は高校卒のオンパレード。
大学卒、社会人出身は大野奨太(東洋大)、市川友也(鷺宮製作所)、岡大海(明治大)くらいしか見当たらない。そもそも、支配下登録されている野手30人(移籍選手を含み、外国人のレアード、ハーミッダを除く)の比率は、高校卒25:大学&社会人出身5と圧倒的に高校卒が多い。
それが投手陣では、高校卒は大谷翔平(花巻東)、須永英輝(浦和学院→日本ハム→巨人)、吉川光夫(広陵)、中村勝(春日部共栄)、増渕竜義(鷲宮→ヤクルト)、石川直也(山形中央)、立田将太(大和広陵)、上沢直之(専大松戸)の8人しかいない。それに対して大学卒、社会人出身者は24人の大所帯である。
有望な高校生野手は上位で獲る。
数年前、あるスカウト氏(日本ハム以外の)から「これはと思った高校生野手がいたら上位で獲る、投手は下位でもいい選手は獲れますから」と言われて驚いた。しかし、今ではそれはなかなか筋が通った考えだと思う。
たとえば一軍クラスの出身高校を見ると、投手は強豪校以外が散見され、野手は強豪・名門校出身者で占められていることが多い(強豪&名門校とは一度でも春・夏の甲子園大会に出場したことがあるような高校のことを指し、選手の甲子園出場の有る無しではない)。